
いまから60年以上前、1963年に開園した「おびひろ動物園」です。
キリンの飼育施設は1971年にできましたが老朽化のため、2024年8月、約5億8600万円をかけて、新しい「キリン館」を造りました。

オスの「メープル」(11才)と、メスの「ユルリ」(8才)、その2頭の息子「ユメタ」(3才)も引っ越しです。
ところが。

コンクリートの壁に囲まれた新しい飼育室。これまでの施設と同じ環境ですが、簡単には入りません。
エサを持った飼育員が先に入って誘導しますが、「ユルリ」は立ち止まって、後ずさり。
おびひろ動物園のキリン担当・片桐奈月さんは「キリンは本来おくびょうな性格。少し神経質な面が強かった。新しいところは動物にとってはこわい。『大丈夫だよ』と安心した場所にする方法を考えなければいけなかった」と話します。
結局、元の施設で冬を越し、4月に訓練を再開することに。
「メープルはすぐ入ったが、ユルリは入らない。どう緊張感をとくか、部屋のどこで緊張するのか、餌をどこに置けばいいかを観察して…」

ユルリは3頭のなかでも特に警戒心が強く、慣れない場所には行きません。
エサ箱を毎日30センチずつ部屋の奥にずらすなど、地道に工夫を重ねました。

「4月末から順調にユルリも協力的に進んでいまして、部屋の扉を閉めるのがゴール。いかにパニックにならないか注意を払った」
2025年8月、施設の完成から1年後にようやく飼育室の部屋のなかを動き回れるようになりました。
「9月に『今なら扉を閉められるかな』というタイミングを狙った。部屋に入ってからはすぐ順応し、休む姿やリラックスしている様子を見て一安心」

ユルリが無事に入ったことで、息子のユメタもスムーズに移動。親子3頭が無事、キリン館に移りました。
さらに、展示室での公開に向けたトレーニングを重ねます。
「室内のガラスを認識させるのに、ロールスクリーンを下ろし体を反射しないように、ここは壁でこちらに来られないと、自分と客のエリアを認識させた」
そして、いよいよお披露目のときです!
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