
そして、騒動が起きました。
放牧地のすぐそばに、ヒグマが現れたのです。
すぐさま高田さんが、追い払おうと爆竹に火をつけ、大きな音を鳴らします。
ヒグマは爆竹の音に怯みその場を離れたものの、数分後に再び姿を見せました。
高田さんはヒグマに向けて、大声を上げます。

「ほーほーほーほー」
クサツネがもし襲われたら…その不安が、高田さんの頭によぎります。

「クマが消えていったところは、クサツネがよく草を食べているところ。クサツネはクマなんて知らないから、怖さを知らない…。いや~ショックや」

海洋深層水を釜で煮立て、塩を作る作業は3日目を迎えました。
ついに、水面に塩が浮かび上がりました。
「"ロバ塩"の誕生です。ここから2時間半位、塩の結晶化が続くのでひたすら収穫します」
300リットルの海水から、わずか5~6キロ。
それでも、クサツネと共に働いた、かけがえのない結晶です。

「煙たい塩小屋から出たら、新鮮な空気と草をはむクサツネがいる。それが最高なんです。クサツネがいなかったら、ただ苦しいだけ…煙を吸って」
完成した塩を積み、高田さんとクサツネの旅が始まりました。
峠道に苦戦する場面もあります。
いったい、どんな旅が待ち受けているのでしょうか。
元新聞記者の高田晃太郎さんと、相棒のロバ「クサツネ」は、11月11日、八雲町熊石地区を出発しました。

手作りの「ロバ塩」を売りながらの行商の旅は、千葉県を目指して進行中。
熊石地区ではたくさんの人の協力を受けながら、クサツネと手作り塩の「ロバ塩」を完成させました。
実は以前、旅の途中に熊本の塩工房に立ち寄った際、「これならクサツネと働ける」とひらめいたことが、塩作りを始めるきっかけとなったそうです。

『旅をしながらロバと働き合う』
その真っ直ぐな思いが、高田さんからは伝わってきます。
出発したばかりの旅では、どんな展開が待っているのか。そして、あの「ロバ塩」は売れるのでしょうか。
後編の記事でお伝えします。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年11月25日)の情報に基づきます。
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