2021.11.15

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「下町ロケット」のモデル、ここにあり!日本のミライを切り拓く、北海道大学のZ世代がアツい!

広大な大地を活かした農業が盛んな北海道。野菜、お米、乳製品…と、わたしたち道民の毎日の食卓、そして日本全体の食文化も、北海道の農業が大きな支えとなっています。
しかし、そんな農業が直面している深刻な課題があります。
それは少子高齢化社会に伴う「労働力不足」です。「経験や勘」に依存した属人化や、後継者を育成できない環境にあることも労働力不足の要因となっています。

今回は、その課題解決に向けて日々研究に励んでいる若き精鋭たちを紹介します!
彼らが所属しているのは、農業の明るい未来を目指し、世界に誇る最先端技術の開発に取り組んでいる「北海道大学大学院農学研究院ビークルロボティクス研究室」です。

「下町ロケット」の世界がここにある

2018年秋にTBS系列で放送されていた日曜劇場「下町ロケット」をみていた読者も多いのではないでしょうか。北海道発演劇ユニットTEAM NACSリーダーの森崎博之さん演じる野木教授のモデルになったのが、北海道大学大学院農学研究院の野口伸教授です。

野口教授は「北海道大学大学院農学研究院ビークルロボティクス研究室」の教員で、博士研究員・大学院生とともに研究に取り組んでいます。
※以下、北海道大学大学院農学研究院ビークルロボティクス研究室をビークルロボティクス研究室と表記

ビークルロボティクス研究室では、日本農業の生産を維持・持続化させるために、ICTやロボット技術を用いた「農業のスマート化」を追求しています。
スマート農業によって、労働力不足の解消データに基づく農業による”経験と勘”依存の解消属人化をうまないデータ継承生産の低コスト化農産物の品質向上と収量増加、そして、国産で安くておいしい農産物が安定供給できます。
本物の「下町ロケット」が北海道大学にあるのです。

※スマート農業とは、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化・精密化や高収量・高品質生産を実現する等を推進している新たな農業のことです。
日本の農業技術に「先端技術」を駆使した「スマート農業」を活用することにより、農作業における省力・軽労化を更に進められる事が出来るとともに、新規就農者の確保やデータによる栽培技術の継承等が期待されます。
農林水産省ホームページより抜粋

スマート農業の研究を通し、彼らが描くミライとは?

「肉体労働をロボットが担うことで、人間がもっとクリエイティブな分野に集中できる環境をつくりたい」

・北海道大学大学院農学院 博士課程1年 森田豪
森田くんは北海道富良野市出身。
北海道滝川西高校、北見工業大学工学部社会環境工学科を卒業後、ビークルロボティクスに入門しました。コーヒー研究と格闘ゲームが趣味の25歳です。

――――森田くんの研究内容について教えてください。

森田)
農場で自動走行や作業をするロボットトラクタの遠隔操作システムやオペレーターが遠隔から直接操縦できるようなシステムの研究をしています。システムの安全性や性能評価、機能拡充を追求し、農場に行かなくとも、家や出先からトラクタを監視、操作ができる実証実験をしています。
無人トラクタの遠隔操作の肝は、「通信」です。インターネットを介した通信である以上、通信遅延やタイムアウトがトラクタの走行に悪影響を及ぼします。その通信遅延を減らす、もしくは遅延時間がおきても無人トラクタをしっかり走らせるにはどういうシステムを組めば良いかを研究しています。

――――どんな想いで研究に励んでいますか?

森田)
ロボット技術を発展させて、きつい肉体労働はロボットに行わせ、人は人にしかできないクリエイティブな分野に集中できるようにしたいです。
というのも、実家の家業が農業土木系の仕事をしていまして。大学生のころ、夏休みに実地の勉強を兼ねて実家の仕事を手伝いました。その時に想像を超える早起き炎天下の肉体労働に衝撃を受けてしまい…。自分の趣味にあてる気力もなくなり、自由な時間をつくることもできなかったんです。ちょっと土木科に進んだことを後悔しました。一応言っておくと、土木業の一端を知る機会になったり、健康的な生活ができたので、プラスと思えたことももちろんありますよ!(笑)
ただ体験を通して、こうした従来の働き方に疑問は抱きました。世の中はノマドワーカーや、リモートワークという働き方がうまれているのに、必ず現場でなければならない仕事のあり方でいいのか?と。一次、二次産業のハードワーク、ブルーカラーのイメージも払しょくできないかと思い、研究に励んでいます。
あとは、「農業用トラクタの自動化について興味はないか?」と父親に勧められたのも大きな進路の転換になりました。父親の後押しもあり、今の自分があると思っています。

――――将来の夢や叶えたいことはありますか?

森田)
ちょっと直接的ですが、すこしでも働かなくていい社会の構築を技術面から解決アプローチしたいです。自分自身の好奇心が満たされる技術開発で社会の役に立てる。自分が楽しみながら、世の中に貢献したいと思います。
ロボットが実用化されて、きつい作業を人がしなくてもよくなる。肉体労働を軽減し、休み時間にあてたり余暇にあてたり。働く時間を減らして、家族との時間や趣味の時間を増やすことに寄与できたらなと。農業や農業に関連する重労働の部分がホワイトカラー化されて「一次、二次産業って昔ほどきつい産業じゃないんだ!やってみようかな!」と興味をもってくれる人が増えればとても嬉しいです。

「地産地消という言葉が好き。食料自給率をあげたい」

・北海道大学大学院農学院 博士課程1年 山崎歓友
山崎くんは東京都多摩市出身の移住者。
東京都立国立高校、北海道大学農学部を卒業後、ビークルロボティクスに入門しました。
野球や自転車、スキーがすきなアクティブな25歳です。

――――山崎くんの研究内容について教えてください。

山崎)
農業機械の電動化とロボット化の研究をしています。自動車分野では環境負荷を考えて、当たり前のようにハイブリッドカーや電気自動車などが普及し始めていますが、農業分野の電気化はほとんど普及していません。
電動トラクタはエンジンに比べて、連続して運転ができる時間が短いため、舗装路ではない広大な農場を運転すると電気消耗が早く充電を頻繁しなければならないという問題が起きます。また、農場を耕すなどのエネルギーを使うなど燃料を多く必要とするため、電動トラクタにはまだ課題が多いです。

そこで、まだ比較的エネルギーを使わない農業で電動化を進めようという動きがあり無人電動自動車(電動ゴルフカート)の実証実験をしています。ワインブドウ(ヴィンヤード)をはじめとする果樹園は、耕すという一番エネルギーを使う作業がないため電動化の可能性を秘めています。

――――どんな想いで研究に励んでいますか?

山崎)
幼いころ、親が家庭菜園をするタイプだったので、だいたいの野菜は自宅でつくったものを食べていました。そのせいか地産地消という言葉が好きだったので、食料自給率が低い日本に対して「もっとたくさん食べ物を作れればいいのになー」って思っていました。
そう漠然と思っていたころから、農学部に進学したいなと考えていました。

農業に関わるようになってからは、政策や土地、環境問題、家庭菜園や商業耕作の違いなど、純粋に「農業をよくしよう」だけでは難しいことに直面しました。
「自分になにができるか…?」最先端技術を農業に取り入れ、技術面でまず労働力不足を解消し生産性をあげられるようにアプローチしていこうと考えています。

――――どんな未来を目指していますか?

山崎)
まず、官僚になって行政面から農業を変えようとしている友人や、メーカーに就職して農業機械から農業の発展に取り組んでいる友人、野口先生のように研究者という立場から農業のスマート化を目指す教授陣など、多くの同志とともに農業をホットな分野にしたいと思っています。

そして自分の研究分野で、北海道のワインブドウ生産が日本中に広がって、多くの人が北海道に訪れてくれると嬉しいです。北海道発ももちろん、各地方発の最先端テクノロジーを取り入れた農業が有名になり、日本各地に目が向けられるようにもしたい。日本中でムーブメントが起きて、都市と地方の交流が盛んになり、同時に農業への関心も高まる相乗効果がうまれるといいですね。
ぼくの大好きな地産地消が根付いてくれると更に嬉しいです(笑)

世界的にみても、バランスのいい農業大国に日本はなれると期待しています。

「北海道、日本、そして世界の食料問題への貢献を目指した研究を」

――――野口教授が目指す未来像を教えてください。

野口)
農業のスマート化は、日本や世界の農業が抱える問題を解決する上で、重要になります。私たちビークルロボティクスの研究は、ロボットや情報通信技術を活用して、北海道、日本、世界の食料問題の解決に貢献できることを目指しています。
当然、持続可能な社会としてSDGsへの貢献にも寄与できると考えています。

ビークルロボティクス研究室は教員、研究員、大学院生が一丸となって、世界的に急速な進展をしているスマート農業に関する研究を進めています。

HBCテレビ「北のフロンティア」見逃し配信

ビークルロボティクスの活動は、HBCテレビの「北のフロンティア」でも放送。
野口教授、森田くん、山崎くんなどビークルロボティクスのメンバーの研究がご覧いただけます。ぜひ、こちらもチェックしてみてください。

北海道農業、ひいては日本の農業の明るい未来を目指し、最先端技術の開発に取り組んでいる北海道大学のZ世代。
今後、彼らがどんな未来を切り拓いていくのか、今後の活動から目が離せません!

Sponsored by 北海道大学大学院農学研究院ビークルロボティクス研究室

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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