2025.12.07

深める

強迫性障害が治るヒントは「向き合う」ことではなくて…当事者の心に訪れた変化とは

どうしようもないことは起きてしまう

漫画家 つくし ゆかさん

治療を受けるなか、父親が病に倒れたことで、つくしさんの心境に変化が現れました。

「私は、なるべく慎重に生きていたのに、『父の死』というこんなにどうしようもないことって起こってしまうんだな…と気づいて。それだったら今を中心に、生きていったほうがいいかなと考えが変わって」

不安に囚われても、できることは限られている。

そう気づいたことで、少しずつ心が落ち着いていったのです。

「絶対にこの病気は治る病気だから、自分のペースで治療をしていけば、必ず長いトンネルから出られるよと言いたいです」

『安心』を求めるあまり自らを追い詰めてしまう心の病。それが強迫性障害です。

強迫性障害の息子を持つ母親が重い口調で話します。

「息子とは今、強迫性障害については、ほとんど話さないです。客観的に苦しんでいる姿を見ていたので、その姿が家族の記憶にも焼き付いているんです」

「何かのきっかけで、また戻ってしまったら、どうしようと当事者も家族も、そうした不安を抱えている。強迫性障害という心の病があって、本人はその行動を好きでやっているじゃなくて、すごく苦しみながらやっていることを理解してほしいです」

回復への道は、この病を恐れず、理解することから始まります。

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

https://www.hbc.co.jp/news/

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • X
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • X