
日常のふとしたことから、強い不安に心が囚われてしまう人たちがいます。
『強迫性障害』。
札幌にあるカウンセリング施設「こころsofa」の太田滋春さんは強迫性障害を専門とする、臨床心理士です。
前回、取材を進めるHBC・熊谷七海記者が「強迫性障害の『不安』とどう向き合ったらいいですか」と聞きました。
その「ヒント」を太田さんはこう話します。
「向き合わない方が多分いいんですよ。ちょっと話半分で、ちょっとルーズになってみませんか?という感じ」
たとえ不安が生じても、無視するように受け流す。
そして、何も起こらない体験を重ねていく。
それが強迫性障害を治療する手立ての一つ『暴露反応妨害法』です。
取材を担当した熊谷記者の場合、『強迫性障害』を伝える報道を目にしたことで、不安との向き合い方に気づき、解消されていきました。

「この病を知ってもらいたい…」
太田さんは『パンダ先生』と名乗り情報を発信しています。
YouTube配信という形で、心を縛られ、自分を追い詰めてしまう脅迫症の人たちへメッセージを届けるためです。
「強迫性障害は、確実に治る病気です。良くなった場合は、再発もかなり少ないといわれています。ぜひ希望に向かって一緒に足を進めていきたいと思います」

鹿児島県に暮らす、元看護師の『つくしゆか』さん。
16年にわたり、強迫性障害と向き合ってきました。
そして、つくしさんは、自身が体験した強迫性障害を漫画で描き、3年前に『極度の心配性で苦しむ私は、強迫性障害でした!!』(燦燦舎)を出版。
今年10月には、2冊目となる『強迫性障害とともに生きてみた。不安が軽くなる30のヒント』(ラグーナ出版)も出しました。

・「(4という数字を見た)きょう、帰りに事故に遭うかもしれない…」
・「窓!エアコン!コンロ!」
つくしゆかさんが当時の気持ちを教えてくれました。
「手のひらにばい菌が残っていたら、次の患者にうつすんじゃないかと怖くなって…もう何回も20分くらい手洗いをしてしまったりとか」
「職場の上司に自分はこういう病気だってことを打ち明けるんですけど、それは治そうとする努力が足りないからだとか…ちょっと心ないことを言われたことがあって…」

職場では、薬の瓶を何度も確認。そして帰宅すると、戸締りの確認を繰り返しました。その行動は周囲に理解されず、つくしさんは孤立していったのです。
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