2025.12.07

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「凶器が入っているかも」5分おきに確認し外出できない…強迫性障害が蝕んだ家族の日常

意味がないとわかっていても

札幌にあるカウンセリング施設「こころsofa」。太田滋春さんは強迫性障害を専門とする、臨床心理士です。

「強迫症については、あまり理解が得られないので、説得とか説教をされてしまう。本人はそう言われても、頭では分かっていても、自分だって意味がないとか分かっているけれど止められない…と苦しんでいる人が結構います」

ひと月に60人もの当事者が、太田さんのカウンセリング施設を訪れます。
患者の割合は人口の2%から4%。発症の多くは20歳前後です。

日常生活の、ふとした行為をきっかけに、押さえようのない不安が生じ、何度も確認を繰り返してしまう。

◇4や9、13といった数字を不吉だと恐れる【縁起恐怖】
◇必ず左右対称や、いつもの配置でなければ落ち着かない【不完全恐怖】
◇汚れが取れない気がして体を洗い続ける【不潔恐怖・汚染恐怖】
◇外出先で誰かを傷つけたのではないか【加害恐怖】
◇いつもの手順で進めないと悪い事態が起きると思い込む【儀式】

その衝動を引き起こす引き金は、実に様々です。

実は、取材を進めるHBC・熊谷七海記者にも10代のころ、思い当たる記憶がありました。

「私の指が、スイッチに当たった位置によって、自分のいつものルーティンの位置から外れてしまったら『火事になるんじゃないか』…そうした不安が自分の中であって」

「過去には、そこに触れられないと何回もスイッチを付けたり、消したりを繰り返してしまうことがあって…そうした不安と、どうやって向き合っていけばいいんでしょうか」

そんな記者に太田さんは「今話した言葉にヒントがあった」といいます。

次回の記事では、その「ヒント」と強迫性障害当事者だった元看護師の女性の心が落ち着いていったきっかけについてお伝えします。

取材協力:北海道OCDの会

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年11月17日)の情報に基づきます。

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

https://www.hbc.co.jp/news/

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