2025.12.11

食べる

「これはちょっと普通ではない」食べに行くなら今!マニアの間で評判の、人気洋食店の復活カレー

ルーの“コシを切る”とは?

ビーフカレー(1,320円)。その他カツカレー、ハンバーグカレー、カツカレースパゲティがあり、カキフライやエビフライなどもトッピングできる。辛さは中辛程度で、要望があれば辛さを強めて提供する。

「うちは玉ねぎをかなりの量使ってて、溶けて形がなくなるまで煮込むの。あとは他の料理でも使うチキンブイヨンを入れてのばしてね。気を遣ってるのは、ルーのコシを切ることかな。それがきっと後味の良さにつながってるんじゃないかな」

この“コシを切る”という言葉だが、和食や菓子の調理において卵を溶くときに使われる。

一般的には卵を溶き混ぜる際、卵黄と卵白のバランスをとりながら均一の状態にすることを言い、牛山さんの中ではこれをカレールーに置き換え、ルーが粉っぽくならないよう一定の方法でしっかりと煎ることを指している。この作業をしっかりと行うことで余計な油分を飛ばし、ルーの粉っぽさを消している。

「だいぶ前に、評判のいい店のカレーを食べたんだ。味そのものはおいしかったけど、口の中に粉っぽさが残ったんだよね。これが胃もたれや胸やけの原因なんだよね。つまり粉のコシが切れてないという状態。仮に僕が下積み時代にこんなルーを仕込んだら、間違いなく親方に蹴っ飛ばされてると思うよ(笑)」

中道に移転してから45年、あらゆるモノに溢れた店内の独特の雰囲気はずっと変わらないが、常連たちが旅から戻るたびにお土産で民芸品や装飾物を持ってくるため、モノ自体は増える一方だとか。

仕込みに手間と時間がかかる看板メニューの一つ・煮込みハンバーグを一旦休んで、期間限定で4種類のカレーを提供しているという現在。
しかし「煮込みハンバーグ」にもかなりの数のファンがついているため、そろそろメニューに戻さなければならないとも考え始めている。

結論は決まっている。「食べに行くなら今」だ。

左・博康さんの妻・牛山良子さん、中央・牛山博康さん、右・娘の牛山志季穂さん。この家族3人で忙しい店をまわしている。志季穂さんは株式会社リクルートの系列企業・リクルートカーセンサーを辞め、店を継ぐために函館に戻り、修業は2年目に入った。

洋食のごくらく亭
北海道函館市中道2-49-21
0138-51-9061

peeps hakodate

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