
「うちは玉ねぎをかなりの量使ってて、溶けて形がなくなるまで煮込むの。あとは他の料理でも使うチキンブイヨンを入れてのばしてね。気を遣ってるのは、ルーのコシを切ることかな。それがきっと後味の良さにつながってるんじゃないかな」
この“コシを切る”という言葉だが、和食や菓子の調理において卵を溶くときに使われる。
一般的には卵を溶き混ぜる際、卵黄と卵白のバランスをとりながら均一の状態にすることを言い、牛山さんの中ではこれをカレールーに置き換え、ルーが粉っぽくならないよう一定の方法でしっかりと煎ることを指している。この作業をしっかりと行うことで余計な油分を飛ばし、ルーの粉っぽさを消している。
「だいぶ前に、評判のいい店のカレーを食べたんだ。味そのものはおいしかったけど、口の中に粉っぽさが残ったんだよね。これが胃もたれや胸やけの原因なんだよね。つまり粉のコシが切れてないという状態。仮に僕が下積み時代にこんなルーを仕込んだら、間違いなく親方に蹴っ飛ばされてると思うよ(笑)」

仕込みに手間と時間がかかる看板メニューの一つ・煮込みハンバーグを一旦休んで、期間限定で4種類のカレーを提供しているという現在。
しかし「煮込みハンバーグ」にもかなりの数のファンがついているため、そろそろメニューに戻さなければならないとも考え始めている。
結論は決まっている。「食べに行くなら今」だ。


【洋食のごくらく亭】
北海道函館市中道2-49-21
0138-51-9061
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