
ひょっとしたら今回の特集テーマである「秘密のカレー」の主旨とは外れているかもしれない。
それほど近頃『CASANOVA』(以降 カサノバ)のカレーは各方面で話題になることが多く、「カサノバといえばパキスタンカレー」と店の新たな看板料理になりつつある。
同店がメニューにパキスタンカレーを加えたのは2年前で、函館で本格派の無水カレーが食べられる貴重な店の一つとして注目を集め、さらにここ1年の間にキーマカレー、シーフードカレー、シーフードカレーなどスパイスカレーのラインナップは5品目まで増えた。

ここで紹介する『サグキーマチキンカレー』はその中でも隠れがちな一品だが、強火で一気に炒めた玉ねぎとたっぷりのほうれん草、8種類のスパイス、そして水の代わりに豆乳を使ったスパイシーかつまろやかな味で万人におすすめしたい。
また同店のスパイスカレーで見逃せないのが、凝りに凝った付け合わせの数々。
この日は枝豆の紹興酒漬け、にんじんのクミン炒め、もやしのナンプラーナムル、セロリのトーレン(ココナッツ炒め)、なすのモージュ(揚げなすの和えもの)の5種類だったが、時期によってその料理内容も変えている。どれも単品で食べても存在感があり、思わず家庭で真似したくなる味。
もちろんルーに混ぜ合わせて食べるもよしだ。

「出張でよく大阪に行く機会があるんですが、あそこは本当に個性的なカレー屋が多くて、それこそ世界中のカレーが食べられる街。うちのカレーは、大阪に行くたびにたくさんの店を食べ歩いて、その良いとこ取りを集めてつくった感じです。辛さとか塩味でごまかさないよう、ルーそのものがおいしいと感じられるものにしたいですね」(店主・蒲生貴之さん)。

【CASANOVA】
北海道函館市宇賀浦町7-7
0138-76-1309
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