2025.11.25
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高校生の思いがけない妊娠。
不妊に悩む夫婦。
産後うつに悩む父親…。
誰もが身近でありながら、なかなか人前では話しにくい「妊娠・出産」。
そこにスポットライトをあて、それぞれの悩みを抱えた5つの家族を描いた演劇作品が、札幌で上演されます。
着想は、劇団の主宰者自身の経験にありました。

「こんな予定じゃなくて馬鹿だよね、ごめん」
「ごめんなさい、でもわたし産みたい」
舞台の上にちょこんと置かれたテーブルで、オセロをしながら、高校生の娘が、母親に妊娠を告げる演劇の一幕です。
札幌を中心に活動する劇団「OrgofA」の新作舞台『コウノトリが飛ぶ島国で、この部屋で』。
描かれるのは、札幌に住む5つの家族です。ステージの上、同じ空間に隣り合わせでいるように見えますが、それぞれが「妊娠・出産」にまつわる悩みを抱えています。

思いがけない妊娠になやむ高校生とその母親。
産後うつに悩む会社員の男性。
不妊治療をやめた夫婦。
金銭的に余裕がない中で、妊娠が発覚した若いカップル。
結婚も出産もしない選択肢を選んだ姉と、同性パートナーと親になることを選んだ妹…。
ファンタジーではなく、題材はどれも身近。
ですが、境遇が違えば「ひとごと」と感じてしまうことも少なくないのではないでしょうか。
「妊娠・出産にまつわる悩みはみんな抱えているけど、まわりには話しづらいテーマ」
そう話すのは、劇団を主宰する飛世早哉香(とびせ・さやか)さんです。

この「妊娠・出産」というテーマを選んだのは、自身が友人から言われたあるひとことにありました。
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