2025.11.11

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空いていた平日昼もバスが混雑…「思い切った形」札幌市でミャンマー人運転手を育成

全国から見ても「思い切った形」ミャンマー人留学生が運転手へ

ミャンマー人留学生、アウンさん(29)とフォンさん(24)。
2人は日本での就労をめざして、4月に日本に来日。将来の運転手候補として、じょうてつに採用されました。

アウンさんは車が大好きでミャンマーでトラックの運転手として活躍。現地の大型免許を所有しています。

フォンさんは大学に通っていたが、クーデターで国内情勢が悪化して退学。その後は飲食店などで働いていたといいます。

「特定技能1号」の制度の対象に、バスなどの自動車運送業が追加されたことを踏まえ、札幌市は3月、じょうてつと北海道アルバイト情報社と連携。
外国人留学生を運転手として採用することにしました。

札幌市はじょうてつを通して生活費の一部と、学費の半額、免許取得費用を補助します。

札幌市都市交通課の岡顕一課長は「今回、思いきった形で外国人の留学生を招き、育成する。全国的にみても行政としてここまで外国人のバスドライバーの育成に携わるという例はあまりないと聞いている」と話します。

「早く運転したいです」

2人は4月に来日して日本語の勉強を開始。今は簡単な日常会話ができるまで上達しています。

「大変ですけど、楽しいです」と話すフォンさん。(24)

授業が終わるとすぐに移動。もちろん、移動はじょうてつバスを使います。

向かったのは札幌市南区にある、じょうてつ川沿営業所です。
いまは「アルバイト」として働く2人。仕事は事務所や休憩スペースの掃除、簡単な事務作業などです。

「毎日、始まりの仕事です」

「毎日やっているので慣れました」

指導する社員からも「掃除はだいぶ慣れてきたっていう感じですね」と高評価。

「カメラの中で私たちかっこいいですか?」と冗談を言うアウンさん(29)はとてもうれしそうです。

別の日には、バスを待つ人に声をかけ、車内での事故防止を呼び掛ける活動をしました。

バス利用者からは「一生懸命ですね。ぜひがんばってほしい」とうれしい声援も。

「一番漢字が難しい」と話すアウンさん。

外国人が日本でバスを運転するには、日本語能力試験に合格する必要があります。

また、日本の交通ルールを理解し、客とコミュニケーションをとるために、2人はアルバイト中も日本語のテキストを開きます。

「早く運転したいです。運転大好きだから」

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

https://www.hbc.co.jp/news/

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