
「月1回、北斗市の『トラピスト修道院』の並木の横の草を刈るのが楽しみなんです。道南の有名な観光地として今まで何度も行っていて、ここに仕事で携わるなんて想像していなかったので、おもしろいなあと」
森林での作業はもちろん、住宅地や、観光スポットの景観整備にも携われることにおもしろさを感じているといいます。
龍輪さんは、「仕事をしていても気持ちがいいし、観光客が楽しそうにしているのも『ようこそ』という気持ちになります。森林での作業は人目に触れないことが多いですが、観光地ではまちの人から『おつかれさま』『がんばって』と声かけてもらえるのも嬉しいですね」と話します。

森林での作業も、実は私たちの暮らしに密接にかかわっています。
北海道の森林は、景観としても大きな魅力ですが、暮らしを守る役割も担っています。
二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を抑制すること。
水を土壌に蓄え、水資源を守ると同時に、洪水や土砂崩れなど自然災害のリスクを減らすこと。
さまざまな野生動物が生きる場所でもあり、人にとっても心と体を癒す場所となっています。
ただ、森林は放っておいては荒れていきます。
その恵みを守るための仕事が、「林業」なのです。

木を伐ることは、森林を守ることにつながります。
たくさんの木々で過密状態になった森林は、太陽光が地面に届きづらくなり、木々が育ちづらくなります。
作業員たちは、知識と経験をもとに現場で木を見て、「育たない木」「状態の悪い木」などを見極めて伐採していきます。「地面まで光が届くように」意識し、バランスを見ながら間伐していくことで、太陽の光が十分に届き、健康で豊かな森林が育つようになるのです。

龍輪さんは、「間伐を進めていくと、光が入ってきて、風も通って、きれいなんですよ。森林での間伐も、まちでの草刈りも、毎日その日に予定したエリアの作業を終わらせるので、やりがい・達成感を日々感じられます」と話します。
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