
笑顔がはじける子どもがいる一方、課題に直面している子どももいます。
民間団体が行った調査で、北海道内でも子どもの貧困が深刻な状況にあることが明らかになりました。
連載「じぶんごとニュース」
「高校に入学したらもっと母の負担が増えるのかと思うと申し訳ない」
「家の中が寒くて手が冷たくなる。お腹が空いてもごはんがないときがある」
これは調査に応じた、道内の中学2年生の声です。
東京の公益財団法人・子ども貧困対策センターの石神貴之課長は「こうした声を切実に受け止めなければならない」と話します。

調査は2024年に行ったもので、対象は生活に困難を抱えこの財団法人から支援給付金を受給している全国の世帯です。
道内の子どもと保護者439人の回答では、平均世帯年収は207.3万円、平均貯蓄は60万円ほどですが、貯蓄が0と答えた世帯は半数近くに上りました。
ここに追い打ちをかけたのが物価高です。
「家計がさらに苦しくなった」と答えた人は87%、「食事を3回とれなくなった」と回答した人は14%でした。
「経済的な理由でなにかをあきらめた」という調査項目については、「塾や習いごと」と答えた人が6割以上、誕生祝いなどの「イベント」も3割を超えました。

さまざまな機会が失われ、子どもの心の状態も悪化。
「何でもないのにイライラする」という子どもが5割近く、「消えてしまいたい」という子どもも2割以上いました。
子ども貧困対策センターの石神貴之課長は「道内の支援の現場の人が感じているその課題感と、調査で見えてきた数字としての道内における課題と、幸せになるために実際に必要な対策というのを考えていければと思う」と話します。
団体では、官民で協議を進め対策を大幅に充実させるよう働きかけたいとしています。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年10月15日)の情報に基づきます。
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