2025.10.31

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人の好意に申し訳ない気持ちになってしまう…「ありがとう」を素直に言えないのってなんでだろう【お悩み#97】

あたしなりのAnswer

先日八雲にて。ご縁をいただけたことにも本当に「ありがとう」ですね

とはいえ、あおたんさん。
あたしたちは、なんだかんだ言いながらこの社会から離脱したり、そこからの影響を拒むことはできないと思うの。

だから、自分たちの抱えている「何者でもない/何者にもなれない」という感覚とは、今後もそれぞれで向き合っていかなければならないと思うんだけれど。

あおたんさんが今欲しいのは「何か効く言葉の薬」だったわよね。

つたないものかもしれないけれど、ここからあたしがつづっていく文章も含めて、あなたにそんな薬を届けられたらなぁと願いつつ、お悩みへの回答をさせていただこうかなぁと思います。

さて、あたしが思うに。
「素直にありがとうと受け取れていない自分」をどうにかするために、あおたんさんやあたしがまずすべきこと。それはきっと、意識的に感謝の気持ちを示すことだと思うのよ。

具体的に言えば、好意を受けることがあったときに、はっきりと「ありがとう」と口に出すこと。
これだと思うのよね。
この5文字の言葉自体が、あたしたちの薬になってくれるんじゃないかって。

「何を単純なことを言っとるんじゃ!」と思われたかもしれません。
でもあたし、これ結構本気。
だし、実際に日頃から実践していることなの。

しかもこれによって、ずいぶん自己肯定感の薄さも改善されたなぁって、最近そう感じているところなんです。

周りの人から、様々なかたちでよくしてもらったとき。
「自分は何ができるんだろう、何も返せないんじゃないか」という不安が先立つ心理状態だと、実は行動や発話が変わってくるように思います。

個人的な経験としても、何かいただきものをしたり、仕事関係で助けてもらったときなど、この手の不安に支配されていると、なぜかその場で感謝を伝えることに躊躇してしまうのよね。

思わず「ありがとう!うれしい!」ではなくて、「いやこんなもったいないものを…」とか「力不足で申し訳ない…」とか、ネガティブなフレーズが口から飛び出してきてしまう。
そんなことを伝えたい訳じゃないのにね。

だけど、だからこそ。
自己否定的な言葉を使ってしまう前に。

相手にまず「ありがとう」と伝える癖をつける。
その5文字を足がかりに、うれしい気持ちをあえてその場で、その流れで語ってみる。

こうすると、気持ちが暗がりに転がり込む前に、好意を向けてくれた人とポジティブなやり取りができるし、良い関係性がつむげる気がするの。

「引き寄せの法則」やら「プライミング効果」やら、大仰なマーケティング論や心理学っぽい何がしかだったりを、ここで語りたいわけではありません(言っていること、伝えたいことは、よくよく似ているけれどね)。

でもあたし、現実的な意味で言霊ってあるんだなぁって、つくづく思うのよ。

自分の口から発された言葉は、自分のこころを変え、行動を変えてくれます。
なんなら結果的に、その言葉は自分自身を救ってくれるかもしれない。

事実あたしは、「ありがとう」というコンパスにしたがって前に進むようになったことで、自分が何者であるかという疑問、何者でもない無価値な存在なのではないかという心配よりも、目の前の人とともに笑顔でありたいという、明るい欲求を抱けるようになりました。

あおたんさんも抱いているという、独特の「申し訳ない気持ち」からも、かなり解放されたように思います。

だからぜひ、あおたんさん。
これからは他者の好意、気持ちのどこかで「まず素直にありがとうと受け取れていな」かったとしても、そんな自分を一旦棚上げにして、きちんと「ありがとう」と口にするようにしてみてください。

そしてできるなら、その好意が「どううれしく、どうありがたい」のか、言語化して相手に伝えてみてほしい。
それが、あなた自身の癒しとケアにも、きっとつながるはずだから。

「ありがとう」という言葉。
それが、あたしだけでなくあおたんさんにとっても、人生の薬になってくれるはず。

そう信じながら、あおたんさんがこれからも素敵な友人たちや仕事仲間と笑顔でいてくれますようにと、あなたのひとりの「苦手仲間」として、あたしは心から祈っているのでした。

ま・と・め♡

ということで、今回は「好意を受け取ること」の難しさについて書いてみました。
いやぁ今回のコラムも、自分のことを掘り下げて整理しなおす、とってもいい機会にさせてもらった気がするなぁ。

「何者なのか」を執拗に、あちこちで問われ続けるこの現代社会ではありますが。
その問いに振り回されないようにしながら、今隣にいてくれる人たちとともに、人生という道をここちよく歩んでいくこと。
それをこれからも大切にしていこうと、改めてそう考えているところです。

さぁて、次はどんなお悩みと出会えるかしら。
みんな、ぜひ応募フォームから、どしどし送ってちょうだいね!
ではではまた次回。Sitakkeね〜!

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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集
しています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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