
「今回の輸出方法は、洗浄、ボイル、冷却、冷凍までしてしまいます」
本間氏が考えたのは、日本でボイルしたものを急速冷凍してドバイまで送る作戦。
ですがこの作戦、いうほど簡単なものではありません。
ジャガイモの冷凍はタブー。
水分が多いため味や食感が台無しになり、フライドポテトやマッシュポテトなど、調理方法が限定されてしまうのです。
しかし、2つ星レストランへ輸出するには、自由に調理できる品質を保たなければなりません。
「五四〇」を冷凍し、遠い海外へ送る。
それは教科書にはない、誰も成し遂げたことのない、前人未踏の挑戦でした。

依頼を受ける前から試行錯誤を繰り返し、2年もの歳月を費やして、ついに「五四〇」ならではの「ボイル方法」と「急速冷凍の技術」を完成させたのです。
9月、ミシュラン2つ星レストランのメニューに、その名が刻まれました。
その名も「クッチャン540」。

「五四〇」の上に昆布と茗荷のジャム、大トロ、キャビアを乗せ、青柚子が香るスモーククリームを添えた、もはや芸術の一皿。
唯一無二の甘みを持つジャガイモは今、世界で輝き始めました。
本間浩規社長は「生産者も食べる人も減ってくるし、産地であり続けるために、必要だと思われる商品作りをしなければ」と意気込みます。
北海道の小さな町が生んだ幻のジャガイモ「五四〇」。世界への挑戦が始まりました。
文:HBC報道部もんすけ調査隊
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年10月3日)の情報に基づきます。
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