2025.10.30

食べる

食べられるのは選ばれし100店…「世界中探しても見つからない」“幻のジャガイモ”の挑戦

前人未踏の挑戦

「今回の輸出方法は、洗浄、ボイル、冷却、冷凍までしてしまいます」

本間氏が考えたのは、日本でボイルしたものを急速冷凍してドバイまで送る作戦。
ですがこの作戦、いうほど簡単なものではありません。

ジャガイモの冷凍はタブー。

水分が多いため味や食感が台無しになり、フライドポテトやマッシュポテトなど、調理方法が限定されてしまうのです。

しかし、2つ星レストランへ輸出するには、自由に調理できる品質を保たなければなりません。

「五四〇」を冷凍し、遠い海外へ送る。

それは教科書にはない、誰も成し遂げたことのない、前人未踏の挑戦でした。

依頼を受ける前から試行錯誤を繰り返し、2年もの歳月を費やして、ついに「五四〇」ならではの「ボイル方法」と「急速冷凍の技術」を完成させたのです。

9月、ミシュラン2つ星レストランのメニューに、その名が刻まれました。
その名も「クッチャン540」。

クッチャン540

「五四〇」の上に昆布と茗荷のジャム、大トロ、キャビアを乗せ、青柚子が香るスモーククリームを添えた、もはや芸術の一皿。

唯一無二の甘みを持つジャガイモは今、世界で輝き始めました。

本間浩規社長は「生産者も食べる人も減ってくるし、産地であり続けるために、必要だと思われる商品作りをしなければ」と意気込みます。

北海道の小さな町が生んだ幻のジャガイモ「五四〇」。世界への挑戦が始まりました。

文:HBC報道部もんすけ調査隊
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年10月3日)の情報に基づきます。

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

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