2025.10.15
深めるその後も必死に小屋へと促します。
「お母さん、移動しよ~」
やさしく声をかけてみますが…見向きもされません!!(涙)
師匠にアドバイスをうけて「ほいほいほい!」といいながらお尻を叩いてみましたが…
どれだけ押してもうんともすんとも動く気配がありません…!
それもそのはず、体重は私の約5倍です。
板を使って力任せに小屋の方に向かって押してみると…
今度は板とは反対側に逃げていってしまいます。
誘導されるストレスと慣れた環境から離れたくない一心で相手にされず、ただ時間だけが過ぎてしまいます。
生き物を相手にするって本当に大変だ…
このまま移動が長引くとブタのストレスが溜まるばかり…
ここからはスタッフの亀田さんにも手伝ってもらいみんなで移動させることになりました。
さすが師匠と亀田さん。
お2人のお力を借りながら、どんどんと小屋近くにお母さんブタを誘導していきます!
私が1人で移動させるとブタの体の片側からしか誘導ができませんが、師匠、亀田さんと一緒に移動させると両方向から挟んで誘導できるためブタの逃げ道がなくなります。
でもそれだけじゃないんです!
師匠と亀田さんは次にお母さんブタがどこに足を向けて移動しそうか予想ができているんです!
私から見ると微動だにしないように見えたお母さんブタですが、師匠は少しの動きも見逃さずに、方向がずれないように先回りをして阻止できていました!!
すごい…!
3人がかりで声を掛け合いながらどんどんと小屋の近くまで移動させることができて、ついに小屋の入口へ。
個室に入れるまでおしりを叩きながら誘導していきます!
順調に進んでいっている…と思いきや!!
お母さんブタ、外につながっているドアの方向に曲がって進んでしまいました(涙)
広々している外に出たくなってしまいますよね。わかります。
でも、健康に元気な赤ちゃんを産んでもらうためにも小屋の中に入ってもらわなければ!!!
しかし、私のような素人では、どう頑張ってもブタを後ろ向きに移動させることはできません。
このままでは入り口から外に出てしまい、もう一度やり直し…。
それだけは避けたい…。
そんな私を見た師匠は走ってきて、まず入り口をふさぎます。
この日学んだのですが、実はブタは人が目の前に立つとそこから動くことはありません。
そこで、師匠は左右に少しづつ板を動かしながら、ブタをバックさせます。
「下がるよー」と声をかけながらちょっとずつお母さんブタを元の道に戻してくれました。
無事に軌道修正完了!!
自分の部屋へと入ってくれました!!
これで無事に出産の準備に入ることができます!
元気な赤ちゃんを産んでほしいです!
がんばれ!お母さん!
ようやくここで作業が終了…と思ったら、師匠からあるごほうびが!
そして、畜産の現場だからこそ受け止めるべき「いのちをいただく」現実も目の当たりにしました。
次回お伝えします!
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文|HBCアナウンサー 東峰優華
苫小牧市出身。2024年HBC入社。HBCラジオ「いっちゃんおいしいラジオ」などを担当。趣味はサッカー観戦(コンサドーレサポーター)、耳掃除、散歩。特技はスケート、ザンギ作り。Instagramでも発信中。
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は取材時(2025年6月)の情報に基づきます。
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