2025.10.18

出かける

町中華で「オムライス」がおすすめ?!60年以上愛される老舗 地元ライター厳選の3店【北海道・小樽市】

WEBマガジン「Sitakke」のパートナーメディアで、小樽観光協会が運営する「小樽通(おたるつう)」より、選りすぐりの情報をお届けします。
今回は、地元ライターが小樽の「町中華」12店をご紹介するシリーズ、第4回です。

***

⑩中華食堂 くろ

小樽で中華といえば?
そう聞かれたら僕が答えるのは間違いなくここ。「中華食堂 くろ」さんだ。
旧手宮線沿いにある、名前の通り真っ黒な壁が特徴のお店。

人通りは決して多くなく、人目を引くような店構えもしていないが、お店の中はいつも賑わいを見せる。特に夜訪れるつもりなら予約は必至。小樽や札幌だけじゃなく、道外からわざわざ足を運ぶ常連さんもいるほどだ。

お店を始めてからはなんと10年。

マスターはこれまでに富良野と札幌でもお店をやってきたが、山・川・海の幸を使った料理を作りたいと思い、その全てが身近にある小樽の地を選んだのだそう。最初は少人数のお客さんにこだわりの料理を作ろうと考え、あえて見つかりにくそうな場所を選んだ。開業した頃は釣ってきたヒラメを料理にしたりもしていたが、いつの間にかお客さんが増えてきて、食材の量が追いつかなくなっていった。

今ではさすがに自分で獲って調達することはなくなったものの、食材への揺るぎないこだわりは何も変わっていない。農家さんや直売所、道の駅などへ出向き、ひとつひとつ自分の目と足で食材を仕入れてきている。

今回頼んだのはえびチャーハン。

くろさんのチャーハンといえばこの大皿に乗ったすごい量がおなじみ。こだわりを聞いてみると「食べてみればわかるよ、全然違うから」とのこと。さっそく一口、全然違う。まずは何と言ってもこのえび。あまりの大きさに、ひとつほおばっただけで口の中が物理的にもおいしさでいっぱいになる。大きいだけではなく、えびの身のぷりぷり感も活きててとってもジューシーだ。主役はエビだけかと思いきや、米・ネギ・卵もあなどるなかれ。炒飯自体の満足感がすごくてどこを食べてもめちゃくちゃおいしい。

この味を支えているのは、マスターの妥協を許さない姿勢。毎朝膨大な量の食材を仕込むが、厨房に立つのはいつもマスター一人。それでも冷凍したものは絶対に使わないし、料理の作り置きも絶対にしない。文字通り命がけで一皿一皿に全力を尽くしている。マスターにとっては「普通だよ」と話してしまう料理への徹底したこだわりが、他とは違う一皿を作り出しているのだ。あまりのこだわりっぷりに、原価をかけ過ぎだと奥さんからいつも怒られている。

(文・小竹多聞)

中華食堂くろ

住所:北海道小樽市色内1-14-5
TEL:090-6878-1217

小樽通(おたるつう)

小樽観光協会が運営する「小樽通(おたるつう)」。 小樽のマチに精通した、おもてなしの心で伝える、暮らしと旅のメディアです。

https://otaru.gr.jp/

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