原爆ドームから約300メートルの場所にある、1本のシダレヤナギの木。被爆樹木です。
畠中さんが参加したのは、毎年8月6日に被爆樹木の下でアーティストらによる平和を祈る活動です。企画したのは、写真作家の浅見俊哉さん。
被爆してもなお、成長するシダレヤナギを8月6日の日光で姿を映し出して、作品を作り続けています。
「被爆樹木もそうだが、苦悩や傷ついた経験が表現に反映されている」
畠中さんは「圧倒的な暴力に対するカウンターアクションとしての浅見さんのアート活動にほとんど同じことを考えた」と話します。
この木の下で、祖父、そして原爆で亡くなったすべての人に向け、慰霊の演奏をします。
「感極まったというか。水や木の自然の循環が亡くなった人の思いと重なったのを感じた」
「強烈な攻撃性からすると小さいアクションかもしれないが、そういうことを繰り返していかないとだめだと思っている」
畠中さんの妻のさおりさんは「体調もギリギリだと思います。やりたいことやるのが優先なんですよね、それに体調を間に合わせる」と話します。
広島が受けた傷は、計り知れない悲しみを生みました。
しかし、畠中さんは同じ傷を返さず、音楽でつなぐ形を模索しています。
原爆で亡くなったすべての人に向け、慰霊の演奏をします。
病気によって左手でフルートを演奏する畠中さん。
演奏を聴いた人からは「世界がやっぱり一体となる日だと思って、その音色が聞こえてきた感じがした」「祈りの音色ですよね」という声が。
「そういう演奏がしたい」と話す畠中さん。これからも音楽で平和の大切さを伝えていきます。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年8月13日)の情報に基づきます。
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