2025.10.04

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左手のフルート奏者が被爆樹木の下で込める「平和」の思い…生きた慰霊のカタチとは

「生きた慰霊」で伝えること

畠中さんの父、嗣郎さん(82)があの日のことを語ります。

「真っ赤になっている人ばかりだった。やけどで赤いのと赤い消毒液を塗っていた。その記憶だけは鮮明にまだ脳裏から離れません」

息子が広島で慰霊の演奏をすることについては…

「涙が出ましたね。僕ができないから秀幸がやってくれる」

病気で半身まひとなった右側と健常な左側の2つの違う感覚がある畠中さん。
相容れないものどうし対話し、新たな価値をつくりだすことを大切にしています。

しかし「原爆」に関して、相反するものとの対話は成立しないと畠中さんはいいます。

「絶対的な暴力です。許すわけにいかないという感情的なものはある。どうしても広島県人なのであるんです」

「でも、それを感情的にやってしまうと、僕は同じ列に落ちてしまう。だから僕は慰霊演奏という形で、次の世代に伝えないと意味がない。生きた慰霊にならない」

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

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