2025.09.28
育む子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」、そして2児の母でもある、HBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)がご紹介します。
贈り物を包むなど、日本の美しい文化を象徴するふろしき。
これが、いざというときにあなたの命を守る、なんて考えたことはありますか?
9月は防災月間。
防災グッズの中身を定期的に確認するなど、日々の備えが大切です。
今回は、目からウロコのふろしきの活用方法を伝える絵本をご紹介します。
記事を読んだあとは、ふろしきを1枚カバンの中に足しておきたくなるはずです。
作者の横山芳江さんにもお話を聞きましたよ!
おばあちゃんのアイテム、というイメージが強いふろしき。
しかし、ふろしきは形状を変えることで想像もしなかったようなさまざまな用途に利用できます。
例えば、三角巾や頭巾…くらいは自分でも思いつきそうですが、この発想はなかなかなかった!
さらに救助を求めるときの目印にするための旗や、担架にも早変わり!
ちょっとした工夫、そしてたった1枚でこんなに何役もできるなんて…!とおどろきます。
かわいい絵柄で、見ていると実際に試してみたくなる!
子どもでも目で見て楽しみながら実際にふろしきを手に取るきっかけにもなりそうですよね。
横山芳江(よこやま・よしえ)さんは一般社団法人日本風呂敷文化協会・代表理事。
防災士の資格を持ち、日本風呂敷協会認定講師として国内外にふろしきの魅力を伝える講演などの活動をしています。
札幌で生まれ育ち、札幌観光大使にも任命されています。
5歳の頃から、祖母がふろしきを自在に使う様子を近くで見ていて、「おばあちゃんって魔法使いみたい!」と思っていたのだとか。
見よう見まねでふろしきを使いこなすようになり、カバンにはいつも1枚のふろしきが。
そんな便利なふろしきが防災と強固に結びついたきっかけは、東日本大震災。
かけつけた現地の避難所で、赤ちゃんを抱えながら疲れた様子で歩く女性を目にし、“ふろしきを抱っこ紐にすれば両手が空いて楽になる”ということや、“ふろしきをおむつがわりにできる”ということを伝えたのが始まりでした。
ほかにも、避難所でふろしきの使い方を知った人たちが「こういう使い方もできるかも!」など、いきいきと言葉を交わす様子をみたときに、“ふろしきには人を引っ張る優しいチカラがある”と感じたそうです。
ふろしきが1番包み込んでくれていたのは人の心だったのです。
ふろしきを使う技を持っていれば、身近な人の命を守れるかもしれない。
横山さんは、特に未来を担う子どもたちにふろしきの良さを知ってもらいたいという思いから、札幌市内の小中学校に、絵本を寄贈しています。
絵本を見ながら、子どもたちと一緒に、折り紙を折るような感覚で使い方を学んでみてはいかがでしょうか。
【取材協力】
代表理事
横山 芳江
防災士、絵本作家、全国ふろしき学校長、日本風呂敷協会認定講師、(一社)日本風呂敷文化協会 代表理事、北海道地域防災マスター・文部科学省、文化庁、小中学校、札幌啓成高等学校風呂敷講師。
一枚の風呂敷でモノだけではなく、相手を想う心を届ける活動を柱とし、人も自然も優しく包み、お洒落でエコロジカルな日々の暮らしを心豊かにする風呂敷の変幻自在な魅力と、防災に役立つ活用法を世界中に普及する目的でライフスタイルに合った活用や開発、スタイリングの提案を行っている。
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文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
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編集:Sitakke編集部あい
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