2025.09.26
深める実際に語ってみること。
これはとてもシンプルです。
誰かに話すことは最初のうち、難しいかもしれない。
であれば書くでもよし、描くでもよし。
なんなら歌うでもよし(作曲しなくてもいいんです。自分の物語を託せる歌を見つけ、それを自分なりにかなでていくこと。これあたし、ドラァグクィーンとしてもよくやっています)。
自分のこれまでの人生を、その中で感じたことを、思い切り遠慮なく外に出す。
そのアウトプットは、根本からの自己肯定に直接つながっていくはず。
これ、きっとBeniさんの人生にも、明るい光を投げかけてくれるように思います。
その上で。
他の人の語りを聞くことで、どんな語り方があるのかを知っていくこと。
そのために、語りを望む人々の集まるところにアクセスすること。
これはBeniさんに、さらに大きな未来への希望をもたらしてくれるんじゃないかしら。
当事者交流会はもちろん、仲間の集まるバーやナイトイベントでの出会い。
SNS上でのつながりもこれに当たるでしょう。
コミュニティの輪の中に入ること、その中で語られる言葉を聞くことで、あなたの物語はきっとより豊かになっていく。
あたしはそう信じています。
Beniさん。
これまで辛かった分、あなたには思いっきり自分の人生を謳歌してもらいたい。
そのためにぜひたくさんの物語、たくさんの人々とこれから出会って、新たな自分の物語もたくさん作っていってください。
いつか、辛かったことも悲しかったことも全部ひっくるめて、きっと人生そのものを素敵な「おはなし」として抱きしめられるときがくるはずだから。
いつかあなたの物語を、直接聞く日がくることを願いながら。
あたしも、今日もまたカウンター越しに、自分の物語を紡いでいこうと思います。
というわけで今回は、セクシュアリティと人生、それをどう物語るかについて考えてみました。
プライドパレードが札幌で開催されたタイミングだったからこそ、あたしにとってはこのお悩み、無視することのできないものだったのよね。
マイノリティたちが声をあげ、届けようとしている種々の物語。
読者の方々には、どうかそれらをつぶさに受信できる人であっていただきたいと、当事者のひとりとして願っております。
ではでは、今日はこのへんで。
Sitakkeね〜!
***
★お悩み大募集中★
日常のモヤモヤからガチ相談まで…随時、応募フォームで受け付けています!みなさんからの投稿、お待ちしています!
***
文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
***
満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。
■LGBTQであることをカミングアウトしたら否定的な言葉が返ってくるのでは…見られ方・関わり方に変化はある?【お悩み#84】
パートナーメディア