2025.09.18
出かける突然の事故でこの世を去った、幼馴染5人。
天国に行けるのは4人。残る1人だけが地獄…話し合いで決めろと言われたら?
9月19~21日に札幌の「ジョブキタ北八劇場」で上演される舞台『天国への会談』。
本番1週間前の通し稽古を見学させてもらいました。
シリアスなテーマなのに、笑いながらあっという間に時間が過ぎていき、心に響くものもある作品でした。
HBCアナウンサーとSitakke編集部でつくる、「HBC演劇エンタメ研究会」(略してエンケン)から、Sitakke編集部IKUが、舞台の見どころを3つのポイントでご紹介します。
まずはストーリーのおもしろさに引き込まれます。
突然の事故によって、この世を去ることになった幼馴染5人。
天国でも地獄でもない、天界の分岐点に行ってしまいます。
そこで天界の使者たちに、誰が天国で、誰が地獄に行くか、話し合いで決めろと言われるのです。
天国に行けるのは4人。残る1人だけが地獄、という条件を出されます。
自分の身に置き換えながら見ても、簡単に答えを出せない究極の選択ですが、舞台の登場人物たちを客観的に見ていても、だんだん苦しくなってきました。
5人はそれぞれ個性豊か。
私は序盤から、菊地颯平さんが演じる「チー坊」がとにかく愛しく見えて、ついつい「チー坊は天国に…」と応援したくなりました。台本に書かれている言葉からもその人柄は感じるのですが、菊地さんが演じると、「その笑顔と前髪と動きはなんだ…」とどんどん愛しくなって、こんな人が亡くなってしまったこと、その上さらなるピンチにさらされていることが悲しく、感情移入していきます。
なのに、物語が進むうちに、最初は「ちょっと嫌なヤツ」な印象だった人物にも、違った側面が見えてきます。舞台上で描かれるシーンだけではなく、死ぬ前の世界での日常や、大切な人と過ごしてきた時間が垣間見えて、一面だけでは語れない「人」の奥深さ、難しさが感じられます。
いい人・悪い人はどこで判断されるのか…
生き方について、自然と考えさせられる作品でもありました。
まだ見えていない側面があるのだろうか、5人はそれぞれをどう見ているのだろうか、いったい誰が地獄行きになってしまうのか…ハラハラしながら、最後まで目が離せない展開でした。
パートナーメディア