2025.09.20
みがく札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。 「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。
しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。
現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には11名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!
皆さん、置屋(おきや)って知っていますか?
“置屋”とは、所属する芸舞妓が生活する場のことを指します。一つ屋根の下で生活を共にし、その中でお姐さん方から礼儀作法を学んでいくのです。
(置屋から派遣されてお座敷に行くので、プロダクションのような役割も果たします)
しかし!札幌には、共同生活ができるような置屋がありません。
それでは、札幌の芸者衆はどうやって生活しているの?ということになりますが…
私たちは、この世界に入門した時からひとり暮らしをさせていただいているのです。
私を含め、さっぽろ名妓連の芸者衆は札幌出身の人がほとんどですので、実家は市内にある場合が多いです。だったら実家から通ってもいいのでは…?と思う方も多いと思います。
しかし、自立心を育てるためにもやはりひとりで暮らしたほうがいいとされています。
着物を管理したり、食事の準備をしたり、時間をやりくりしたり…自分で責任を持ってしっかりと生活を送っていくということが、芸妓としても、いち社会人としても大切になります。
パートナーメディア