札幌市環境共生担当課の坂田一人さんは「避難誘導や交通整理にかなりの時間を要することが分かった。速やかに済むように人手をかき集めていきたい」と話します。
江差町の訓練でも、ハンターに発砲を委託するまでに安全確保や書類の準備など、多くの手続きが必要になりました。
安全確保のすべての条件がそろってから、という担当者の話に、ハンターからは「クマが逃げてしまう…」と落胆の声が聞かれます。
新たな発砲の制度に、懸念を抱いている人もいます。
砂川市のハンター、池上治男さんです。
池上さんは、2018年、砂川市の要請で市街地に出没したクマを猟銃で駆除。
しかしその後、「住宅に銃弾が届く恐れがあった」として、北海道公安委員会に「猟銃所持の許可」を取り消されました。
現在も北海道を相手に裁判で争っています。
池上さんは、市町村判断による新たな制度でも、ハンターの責任が問われる事態が起きないかと、心配しているのです。
「ハンターは不安どころじゃない、緊急銃猟は無理…。私のような目に遭ったら…ということをみんな思っている。最終的に要請がかかるハンターの身の安全、保障がどうなるのかというところを、決着してもらわないとだめだと思う」
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