2025.09.22
暮らす海や漁村にある資源を生かして賑わいを生み出す「海業(うみぎょう)」。
今度の主役は学生たちです。
学生たちが参加しているインターンシップ。
でも、単なる「職業体験」ではありません。
「こういう配列がいいとか提案してくれたらすごくうれしい」
「目標は年末のお歳暮で100万円売り上げること」
そんな具体的な販売計画も…!?
「海業(うみぎょう)」にチャレンジする学生たちの取り組みに密着しました。
連載「じぶんごとニュース」
北海道函館市の海産物卸会社を訪れたのは、神奈川県と愛知県の大学に通う学生2人です。
日本大学生物資源科学部の松野日胡さんは「食品マーケティングや企画・開発など、さまざまな分野に興味がわいていた」と言います。
2人が応募した「海とインターン」は北海道内のマチに1か月ほど住み込み、水産会社などで就業体験をします。
さらに、若者の視点で、地域の課題を見つけ、解決方法を提案してもらい、最終的には、「海のスタートアップ」に関わる人材の育成を目指します。
このインターンを2024年から企画しているのは、漁師や水産加工業者、食のプロデューサーなど「海業」に関心を持つ人たちでつくる法人「DO FOR FISH」です。
DO FOR FISHの齊藤いゆさんは「『海業』がいま若い世代との接点が少ないところから、まず知る機会を作っていくため、このインターンシップを始めた」と話します。
学生2人に課せられた「ミッション」は「未利用魚の商品開発」です。
「未利用魚」とは、経済的な価値が低く、売ることのできない魚のこと。
例えば、サメは、そのまま市場に出回ることは少ないですが、フライにしてハンバーガーとして売り出せば、新たな価値がつきます。
「どういう棚があったらいいか、どういう商品配列だったらいいかを考えてほしい」
齊藤さんは、商品の陳列方法や別の商品パッケージのデザインなども「ミッション」に追加しました。
中部大学人文学部の吉野舞さんは「考えることが多すぎて、商品開発とかして地域を盛り上げたいと思ったけど、泥臭くて大変なんだと本当に実感している」と話します。
課題は山積み。
ヒントを探そうと、資料館で北海道の漁業の歴史にふれたり、地元の漁師に直接話を聞いたり。
自分たちの「足」で、商品開発の糸口をつかみます。
漁師の熊木祥哲さんは「未利用魚は、本当は食べられる魚が利用されていないだけなので、頑張って形にしてほしい」と話します。
DO FOR FISHの齊藤さんは「海業は課題だが体験と成果が得られるようなインターンシップを組むことができれば、このモデルケースをいろんなところで作ることができる」と話します。
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