2025.09.21

深める

麻痺する右半身が愛おしい…左手のフルート奏者「アドバンテージをもらった」体の対話

「右半身はあきらめた方がいい」

「人間ドックの前日に具合が悪くなった。指揮をしている途中に倒れちゃった」

脳内出血でした。
医師からは、「右半身はあきらめた方がいい」と告知されたといいます。

「病気をしてから人間関係がガサガサと崩れていき、怖かった。対人恐怖症とパニック障害を併発して引きこもった」

しかし、病気自体に絶望していたのではありません。
そのわけは、見舞いに来た友人の美術家の言葉でした。

「できる体で感じることと、できない体で感じることになるから、感覚が2倍になるでしょと。それはアート的に絶対いいことなんだと」

今も、週に2回のリハビリに通います。

「リハビリをやらないと、アイディアが浮かばなかったり、間違いなく楽器については、体が固まって演奏できなくなるので」

麻痺が残る右と、そうではない左。
違う感覚の両者がいることで、体の中で対話が生まれるといいます。

「元気な左手側と、ちょっと弱い右側が一緒になって。感覚が違うので、ごはんを食べるときや歩くときにちゃんと右と左が対話をして、どうやってやるか話し合いが起きるんです」

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

https://www.hbc.co.jp/news/

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • X
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • X