「人間ドックの前日に具合が悪くなった。指揮をしている途中に倒れちゃった」
脳内出血でした。
医師からは、「右半身はあきらめた方がいい」と告知されたといいます。
「病気をしてから人間関係がガサガサと崩れていき、怖かった。対人恐怖症とパニック障害を併発して引きこもった」
しかし、病気自体に絶望していたのではありません。
そのわけは、見舞いに来た友人の美術家の言葉でした。
「できる体で感じることと、できない体で感じることになるから、感覚が2倍になるでしょと。それはアート的に絶対いいことなんだと」
今も、週に2回のリハビリに通います。
「リハビリをやらないと、アイディアが浮かばなかったり、間違いなく楽器については、体が固まって演奏できなくなるので」
麻痺が残る右と、そうではない左。
違う感覚の両者がいることで、体の中で対話が生まれるといいます。
「元気な左手側と、ちょっと弱い右側が一緒になって。感覚が違うので、ごはんを食べるときや歩くときにちゃんと右と左が対話をして、どうやってやるか話し合いが起きるんです」
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