日本から1万1千キロ。遠く離れたアフリカの国から北海道に農業を学びに来た若者たちがいます。
母国の農業を発展させるための新たな挑戦です。
空知の長沼町にある長ネギやとうもろこしなどの生産農家。
ここで働くベトナムやインドネシアなどの実習生の中に、新たに加わった仲間がいます。
エミルさん(26)に、ジディオさん(30)、ミネルヴァさん(28)の3人は、インド洋に浮かぶアフリカの島国、マダガスカルからやって来ました。
日本の約1.6倍の国土を持つマダガスカル。
主食はコメで、国の主要産業も農業ですが、高学歴の若者の失業率の高さが課題です。
解決のため、JICA=国際協力機構は、初めての人材育成プログラムをスタートさせました。
マダガスカルの若者に現地で日本語などを学んでもらった後、日本の農家へ派遣。
その技術を再び母国で生かしてもらうというもので、日本側の担い手不足の解消も狙います。
特定技能の資格も得て、北海道へやってきた3人。
まずは、受け入れの仲介を担う会社のスタッフと住民票の手続きへ。
そしてお昼ごはんは3人が食べたかった日本のラーメンです。
エミルさんは、ちょっと戸惑いの表情を浮かべています。
「これ、初めて食べます」と言った先にはラーメンのメンマ。
おいしいですか?と聞くと…
「まぁまぁです」
マダガスカルで農業技術者を養成する学校を卒業し、日本語能力試験の資格も持つ3人は、いわば「農業エリート」。
シングルマザーのミネルヴァさんは、4歳になる娘を母親に預けて日本にやってきました。
「農業についていろいろなこと学びたいです。日本人と一緒に働くのもやりたいです」
学ぶ意欲の高さに受け入れ先である、三木田農場の三木田裕介社長は「日本語がすごく上手なので、日本人の人とかとちゃんとスキンシップをとりながらやってくれているのですごく助かってます」と話します。
ジディオさんは今後に意欲いっぱいです。
「日本には農業の機会がとてもたくさんです。色々な種類がある。機械の使い方とか頑張ります。勉強したいです」
これから5年間、日本で働く予定の3人。
北海道の地で、国の未来を背負った挑戦が始まりました。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年8月1日)の情報に基づきます。
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