2021.11.02

暮らす

この時期の“すいか”と言えば?酒のアテに抜群の逸品いかが?

酢いか

イカを一杯まるごとボイルして、だし昆布、塩、みりんなどを加えた三杯酢にしっかりと漬け込む。
函館に古くから伝わる郷土食・酢いか。道南地方では、秋のはじまりから終わりにかけての肉厚のスルメイカが使われることが多く、地域によっては中にニンジンやシソ、ごぼうなどを入れることもある。
工場で生産される商品は食紅で色付けされるため、「酢いかといえばピンク色」とイメージする人も多いだろう。

函館駅前の角打ち『瀧澤商店』は、不定期で酢いかがメニューに加わる貴重な飲食店の一つで、大手町『イチヨ水産』製造の酢いかを提供。酸っぱさが後を引かない、さわやかな甘酢仕上げが特徴。少しだけ醤油を垂らすと、より酒に合う。

イカが豊富に獲れていた時代、函館の家庭では保存食として手作りの酢いかが食卓に並ぶことはごく日常のことだった。しかしご存知の通り、近年のイカの記録的不漁によってこの伝統料理も少しずつ姿を消しつつある。工場生産するメーカーも、手作りで提供する家庭や飲食店も、だいぶ減ってしまった。
そんな中でも気を吐くのが、南茅部地区に拠点をおき6代にわたって続く網元・久二野村水産。イカの不漁が続く中でも、自社で獲れたイカににこだわって『桜吹雪』の名で酢いかを製造しており、社の看板商品の一つとしてフルシーズン通して販売している。

野村水産の酢いか『桜吹雪』。自社の大謀網で獲れたスルメイカをしょうが、ニンジン、数の子とともに天然製造酢を使用した甘酢に漬け込んだ一品(180g 454円)。なお平成20年には、優秀な観光土産品として函館市長賞を受賞している。この商品を含め、同社の加工品は本通の住宅街にある直営店で購入可。

なかなか食べる機会はないかもしれない。それでも決して忘れてほしくない函館の食の遺産として、ここに記録しておきたい。

久二 野村水産(株)本通直営店

住所:函館市本通2-55-24
Tel:0138-55-9532
Twitter:@nomurasuisan_hd
Facebook:@いか塩辛|網元|野村水産@北海道函館

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