この日、松田さんが訪ねた先は、駄菓子の問屋。月に一度の仕入れです。
「焼き肉、かば焼き…子どもたちは意外と甘いものではなくて、しょっぱいものが好き。“酒飲み”みたいな…」
今回の仕入れは約4万円分。
駄菓子店の経営は、ほぼ松田さんの持ち出しです。
子どもの居場所を作る意義について、少年非行など、犯罪社会学を研究する摂南大学犯罪社会学の竹中祐二准教授は、話し相手の選択肢が増える大切さを話します。
「子どもにとって、親や学校や友だちではない繋がり・選択肢、『話し相手が増える』ということが、まず望ましい。時には自身の経験がきっかけになって、時には駄菓子屋Barとしての立場がきっかけになって、子どもが『この人の話なら聞いてもいいかな』って思える存在になっているところがポイント」
実は、松田さんの人生に、大きな影響を与えた事件があります。
高校時代に知り合った女性が、2歳の娘に十分な食事を与えず、衰弱死させたのです。
「ああいう風に関わっていた人が、まさかこんなことになるなんて…と思ったんですよね」
「このままだと自分が死ぬか、他人を殺すかもしれないと思った時期はありましたね。自分がもっと変わっていかなきゃと思いましたし、誰かのお手本になったり、誰かを助けになったりするような人間になりたいな…と」
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