2025.09.07

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強盗傷害で少年院へ…元犯罪少年が寄り添う「寂しい子どもたちを減らす」駄菓子バー

話し相手の選択肢を増やす

この日、松田さんが訪ねた先は、駄菓子の問屋。月に一度の仕入れです。

「焼き肉、かば焼き…子どもたちは意外と甘いものではなくて、しょっぱいものが好き。“酒飲み”みたいな…」

今回の仕入れは約4万円分。
駄菓子店の経営は、ほぼ松田さんの持ち出しです。

子どもの居場所を作る意義について、少年非行など、犯罪社会学を研究する摂南大学犯罪社会学の竹中祐二准教授は、話し相手の選択肢が増える大切さを話します。

「子どもにとって、親や学校や友だちではない繋がり・選択肢、『話し相手が増える』ということが、まず望ましい。時には自身の経験がきっかけになって、時には駄菓子屋Barとしての立場がきっかけになって、子どもが『この人の話なら聞いてもいいかな』って思える存在になっているところがポイント」

自分が死ぬか、人を殺すか…

実は、松田さんの人生に、大きな影響を与えた事件があります。
高校時代に知り合った女性が、2歳の娘に十分な食事を与えず、衰弱死させたのです。

「ああいう風に関わっていた人が、まさかこんなことになるなんて…と思ったんですよね」

「このままだと自分が死ぬか、他人を殺すかもしれないと思った時期はありましたね。自分がもっと変わっていかなきゃと思いましたし、誰かのお手本になったり、誰かを助けになったりするような人間になりたいな…と」

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

https://www.hbc.co.jp/news/

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