2025.08.29
深めるスマートフォン。
私たちはこの小さい箱を手にすることで、マクロからミクロまで幅広い単位の、多種多様な世界にアクセス可能になりました。
海の向こうの人たちの様子をライブで垣間見ることも、社会に自分の意見を広く発信することも。
そしてもちろん、親しい人たちと密に交流をはかることだって、この箱があれば気軽にできるようになったわけです。
でもね、だいはるさん。箱は単なる箱。
そこに表示されているのはどこまでいっても、電子化された情報なのよ。
そしてその情報には、抜けている部分、欠けている部分、あえて隠されている部分、なんなら、時には間違っている部分まであるかもしれない。
自分発信の情報についていえば、誤解されてしまう可能性だってある。
にも関わらず、スマホ越しだけで世界を見ていては、そうした「おや、なんか違うかも」といった感覚を手にすることはできない。
そう、生身の相手を目の前にして言葉を交わすこととは異なり、スマホというデバイスを介したコミュニケーションのなかでは、しっかりとした肉感とともに人と交流することは難しいんじゃないかと、あたしは思うんです。
だからこそ。
あたしだいはるさんには、今回もめてしまった友だちと実際に会ったときに、目と目を向き合わせた上で「改めて、あんなこと書いてごめん。どう感じたか、率直に教えてほしい」と、頭を下げ、お願いしてみることをおすすめしたいのよね。
直接誰かと話をすること。
これほどまでに人間関係を構築し、改善し、進めていくのに力を発揮する行動というのは、他にないはずだから。
もちろん、友だちとのやりとりにスマホを金輪際使うな、なんてことは言いません。
人に頭を下げるというのが、心理的ハードルの高いものだということもわかります。
でもね、だいはるさん。
人と人との物語は、会うことによって初めて始まる。
あなたが相手ともう一度、「友だち」という物語を紡いでいきたいのなら、その人とまっすぐ「出会いなおす」というチャレンジをぜひやってもらいたい。
だいはるさんが大切な人とこれからも一緒に、しっかりとしたリアリティをともなった楽しい時を過ごせるように。
現段階ではあくまで小さな箱の向こうからになってしまいますが、あたしもあなたのことを応援していますよ。
というわけで今回は、SNSの使い方からはじまって、スマホ時代の友情というものについて一考してみました。
すごいよねスマホって。
そこに全てが詰まっているんじゃないかって、一瞬勘違いしちゃっても仕方ないぐらい便利なデバイスだもの。
でも、そこからあえて距離をおくというか(デジタルデトックスなんて言葉も広まってますね)、スマホに頼らず面と向かって、あたたかみとともに人と対峙すること。
その大切さは、いつまでも忘れずにいたいなぁと個人的にも常日頃思っています。
ではでは今日はこの辺で。
また次回!Sitakkeね〜!
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。
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