2025.08.21

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高齢者の食の楽しみと見守りまで担う「配食サービス」 事業者負担は物価高で拍車も

和え物や魚が丁寧に盛り付けられていきます。
品数豊富で、見るからに栄養満点なお弁当!

その上には、「刻み」や「大盛り」の文字や、紙に「不在時連絡すること」と書かれています。

そんな大量のお弁当が向かう先は、高齢者の住宅です。

連載「じぶんごとニュース

ただ届けるだけじゃなく…

高齢者用の弁当配達を行う『ライフデリ手稲店』のオーナー、清野秀明さん(49)。
札幌市手稲区と南区の高齢者に弁当を届けるとともに、手渡しすることで安否確認も行います。

昼食と夕食の1日2回。
下は52歳から上は101歳まで、のべ160人ほどに弁当を届けます。

「ただ弁当を届けるだけじゃなくて、お客さんと一言二言しゃべるだけで、何となくきょう調子良さそうだなとか毎日見てればわかる人もいるので、気をつけながらコミュニケーションを取っている」

最近、自宅で転倒することも多くなり、日常生活に不安を感じている99歳の男性も、弁当を楽しみに待つ1人です。

「負担を減らすためにお願いしたのさ。自分でやってたんだよね、だけどとってもかなわないから」

午後4時すぎ、弁当が到着。
配食サービスを使い始めて1年ほど、夕食の時間は毎日決まっています。

午後6時のこの鐘が夕食の合図。
取り出した弁当にはこの日が誕生日の男性に小さなサプライズがありました。

「99歳お誕生日おめでとう」

同居する娘が炊いたごはんを茶碗に盛りつけて、お弁当のおかずと一緒にいただきます。
栄養のバランスがとれた弁当は1食およそ600円。

高齢者の生活と健康を支える「配食サービス」は高齢化の時代に必要不可欠となっています。

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

https://www.hbc.co.jp/news/

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