2025.08.23

暮らす

余命2年と宣告され、妻と一緒に向かったのは「人生会議」 自分の最期に大切なものを、3つ選ぶなら

なぜACPは大切か…「患者だけではない」医療現場も重要視

手稲家庭医療クリニックの松本美奈看護師は、「ACP」を患者本人や家族に任せっきりにするのではなく、医療機関がサポートすることで、より充実した最期を一緒に目指していきたいと話します。

手稲家庭医療クリニック 松本美奈看護師

「ACPは、治療とか延命とかを“する”“しない”だけではなく、その人らしく過ごすにはどうしたらいいかというのを繰り返し考えるプロセスです。病名や予後にはこだわらず、どうサポートすればいいのかを、患者本人だけでなく家族にも考えてもらいたいし、我々スタッフにも理解してもらって、『いい人生だったな』と思ってもらえるように、一緒にチームでやっている感覚です」

100%は難しいが、「ACP」をできるだけ多くの患者に届けていきたいと語る松本さん。
現場のスタッフたちにも「ACP」の重要性が徐々に浸透し、好循環が生まれ始めている段階だといいます。

「病院の中で患者に話を聞こうと思っても、なかなかタイミングが難しい。治療に向かっているのに、最期のことを考えるのも難しい。そうではない早い時期に一度考えるだけでも全然違うし、万が一のときに困らないと思うんです。だからスタッフにもこだわって話をし続けています」

患者らと「ACP」を実践するスタッフ

「なかなか浸透していない部分もありますが、患者の普段の生活や会話を通して、“尊厳ある最期の生き方”に寄り添っていきたいです」

あなたや家族の望む最期とは…。「ACP」を実践し、最期まで自分らしい生き方を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

文:HBCデジタル編集部 長沢祐
北海道歌志内市出身。民間金融機関営業マンを経て2018年にHBC入社。記者時代は道警サブキャップや司法キャップ、経済キャップを経験し、これまでに新型コロナウイルスによる旭川の医療崩壊や乗客乗員2 0人以上が死亡した知床観光船沈没事故などを取材。現在、子育て奮闘中。趣味はラグビー観戦、サウナ、スキー。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は記事執筆時(2025年8月)の情報に基づきます

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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