2025.08.23
暮らす
札幌市の「手稲家庭医療クリニック」では、ACPを知ってもらおうと、スタッフや患者などを対象に、これまでに10回以上のイベントを開いてきました。
この日は、外来の患者20人ほどが参加し、もしもの時に備えて、自分の最期について考えていました。
「もしバナゲーム」と呼ばれるカードゲームを使って、「余命半年。あなたはどう過ごしたい?」という状況をみんなで一緒に考えていきます。
カードの中には
・家族と一緒に過ごす
・痛みがない
・呼吸が苦しくない
・家族の負担にならない
・機械につながれていない
など、さまざまな言葉が書かれています。
参加者たちは、カードに書かれた言葉を見ながら、自分の「最期」に大切だと思うカードを取捨選択し、最終的に3枚のカードを手元に残しました。
83才の参加者は、「今回初めて参加させてもらって、自分の気持ちが明確になって整理できた。カードは『信頼する主治医がいる』とか『自分の思うようにいきたい』というカードを選びました」と話していました。
4か月前に前立腺がんが見つかり、医師から余命2年ほどと宣告された81才の男性が、妻と一緒に参加していました。
「人生の流れの中で、この時期に差し掛かったんだなと。周りが一番受け入れやすい方法で最期を迎えられればいいかな。妻が困らないようにできればそれでいい。満足のいく人生だったので、これ以上は望みません」
ACPについて、「医師からは治療方法が選択できると言われたが、自分で選択する難しさがある。もう一度頭の中を整理するのに役に立った」「医療従事者の方々が日々忙しい中で、ここまで年寄りのことを考えてくれてありがたい。本来は自分で考えなければならないことを、医療従事者がリードしてくれるのは大変ありがたい」と話していました。
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