2025.08.16
暮らす10年以上続く秘訣は、「楽しい地域の恒例行事」だからです。
石山地区まちづくり協議会の副会長・寺田政男(てらだ・まさお)さんは、「毎年8月にやるってわかってるから、頼んでまわらなくても、『ことしは〇日だよね?』って具合に集まってくれる」と話します。「若い人にどう入ってもらうかが課題だけど、こないだ地域で焼肉やったときに知り合った若い人に声かけたら、きょうも来てくれたんだ」と笑顔で教えてくれました。
この日70歳の誕生日を迎えた住民は、20代の孫と一緒に参加。孫は「ちょっと草刈り手伝ってくれ」と言われて来てみたそう。クマ対策!と肩肘はらない地域の集まりなのです。
札幌市西区・円山西町の町内会長、有賀さんの姿もありました。以前の連載記事でご紹介しましたが、円山西町でも先月、ヒグマ勉強会をしていて、地域での対策に乗り出しています。
「最初はこんな範囲の草刈り、終わるのかな?!ってびっくりしたんですけど、みんなでやるとこんなにきれいになるんですね」と笑顔。
ザクザクと草を刈り、景色が開けていく感覚。みんなで一緒に汗をかき、結果が目に見える達成感があります。
(私はいつもハサミでやわらかめの草を刈る係でしたが、この日は「ナタ歴25年」だという大先輩に誘われて初めてのナタでの草刈りに挑戦。太い茎をバッサリ刈って、自分より背が高い草を取り除いていくのは爽快感がありました…)
寺田さんや、ほかの町内会の方々が、草刈りの休憩中に「いい汗かいてるな!」「終わったらビンゴあるから!」「うどん用意してるから!」と声をかけてくれ、和やかな雰囲気で進みます。
酪農学園大学の佐藤喜和教授は、参加者らに「元気なマチにはクマが寄ってこないと信じて続けている」と呼びかけていました。
クマと人の距離が近づきすぎた今、「問題個体」のクマの予兆にすぐに気づき、速やかに対処する体制が求められています。法律の改正により9月から市街地での猟銃使用の基準が変わりますが、どうすれば人を避難させ安全に確実に発砲できるのかなど課題は多く、条件がそろったときしか発砲はできません。
緊急時に備えた国や自治体の対策が求められると同時に、そもそもクマを「問題個体」にしない取り組みも重要です。
クマが来づらいまちづくりに、地道に取り組む石山地区。
寺田さんは、「何かあったときだけではなくて、何もないときにも対策を続けていくことが大事なんだと思っている」と話していました。
連載「クマさん、ここまでよ」
※掲載の内容は記事執筆時(2025年8月)の情報に基づきます
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