2025.08.10

出かける

全国から愛された「黒い駅そば」が復活!北海道で一番小さい村に伝統の味求め多くの人

黒い「駅そば」で、全国の人から愛された北海道北部のJR音威子府駅のそば店が4年ぶりに復活し、賑わいを取り戻しました。

人口605人。
北海道で最も人口が少ない音威子府村です。

その村の名物が4年ぶりに帰ってきました。
黒いそばに濃いつゆが特徴の「駅そば」です。

「久しぶりに食べて、とてもおいしかった」
「飲んだ次の日に食べたいなという感じです」

訪れた人からそんな声が飛ぶお店。
店主が亡くなったことで2021年に閉店し、空き店舗となっていましたが、「賑わいを取り戻したい」と村が6月から店を始める人を募集していました。

伝統の味を受け継ぐことを決めたのは、駅前でゲストハウスを営む竹本修さん。

「できればここでやって、全国に昔ながらの音威子府そばをもう1回食べられるよと教えてあげたい」

竹本さんは5年ほど前に村に移住し、ゲストハウスでもそばを提供しているといいます。

復活にあたってこだわったのは、伝統の味を忠実に再現することでした。

「利尻昆布で前日の夜から仕込んだつゆに、特製つゆを足して割ったものをベースにしているので、前に負けないくらいおいしい」

そしてかつてと同じてんぷらを使うことにもこだわりました。

音威子府の駅そばは、地元の畠山製麺が廃業し、再現は難しいとされていました。

しかし、関東の飲食店店主たちが熱心に研究し、千葉県の製麺所でその色味と味を再現しています。

今回の復活ではその「新!音威子府そば」を逆輸入したのです。

復活に向けて竹本さんは畠山製麺の元社長、畠山捷一さんに何度も意見を求めました。

畠山さんもその思いに応えてくれました。
3日の地元向けのプレオープン時にも店を訪れ、最後までつゆの味の調整をアドバイスしていました。

復活したオープン日、カウンターには畠山さんから届いたお花が飾られました

オープンとなった7月4日は、予定の午前11時より前に予想以上の客が訪れ、開店を早めました。
昼どきは行列ができる大盛況!

音威子府村の遠藤貴幸村長もさっそく訪れ、「めちゃくちゃうまいですね。めちゃくちゃいいですよね。だってこんなに人が来てくれる。音威子府でこんなに人がいることはあまりないので」と話していました。

店は、村のチャレンジショップ制度を活用した3か月間の営業で、毎週金・土・日、9月21日まで営業します。
(祝日に営業する場合もありますが、村内のイベントで臨時休業する場合もあり)

気温が上がってきたので、冷たいそばも始めているということです。

土日は村民の数を超える650人前後のお客さんになることもあるのだとか!

新店主の竹本さんは「できれば、ずっと継続してやれるのが村のためにもなるし、継続性を視野に頑張っています」と意気込みを話していました。

全国の旅人に愛されながら、一度は姿を消した小さな村の「駅そば」。
伝統の味を新しい形でつなぐ人たちがいました。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年7月4日)の情報に基づきます。

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

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