2025.07.26
育む子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」、そして2児の母でもある、HBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)がご紹介します。
HBCは毎年、札幌市内の小学校で「絵本読み聞かせ事業」を行っています。
今年度の読み聞かせも、7月からスタート!
初回は森田絹子アナウンサーと私・堰八紗也佳が、南郷小学校を訪問しました。
小学校で読み聞かせボランティアをされている保護者の人も多いですよね。
アナウンス部の読み聞かせリーダーを務めている私がどんな絵本を選んだのか、そして読み聞かせをするときに気を付けているポイントについても、お伝えします。
小学校での読み聞かせ事業は民間放送教育協会の事業のひとつです。
加盟局であるHBCは、札幌市教育委員会と連携し2013年から行っています。
毎年、ご応募いただいた学校の中から10校を訪問させていただいています。
気付けば今年で13年目。
私は初年度から携わっているので本当に多くの小学校を訪問してきました。
どこの小学校も子どもたちは元気いっぱい!
いつもこちらがエネルギーをもらっています。
初回の7月16日は、白石区の南郷小学校を訪問し、1年生に向けて読み聞かせを行いました。
絵本を読む前に、早口言葉に挑戦!
一緒に声を出して打ち解けておくことで、子どもたちはこのあと絵本の世界にリラックスして入っていくことができます。
みんな大きな声で一生懸命、早口言葉を唱えてくれました!
ぼくはおばあちゃんに会うために電車に乗った。
お母さんが持たせてくれたお土産のクッキー缶、どんなものが入っているんだろう。
ふたを開けようとしたとたん、手からすべってコンコロコーン。缶が隣の車両に転がっていった。
ぼくが追いかけていくと、なんとそこはジャングルだった!
電車には、宇宙の車両、海底の車両、お化けの車両…、不思議な車両ばかり。
そして夜店屋台の車両では、クッキーの缶が今にも開けられそうで…。
(引用:ひさかたチャイルド)
この絵本を選んだ理由は3つあります。
子どもは絵本を「読んでいる」のではなく、「体験」しています。
お子さんから 同じ絵本を何度も繰り返し読んでほしい とせがまれた経験はないでしょうか。
大人はただ文字を追うだけなので「またこの絵本?他の本にしようよ」と言ってしまうかもしれません。
しかし、例えばジェットコースターが大好きな人が何度でもそれを体験したいのと同じで、主人公になりきって電車の中で冒険を続けるこの物語は、子どもにとって、 何度でも体験したい楽しい冒険 なのです。
絵本は、ページをめくるタイミングがポイント。
次のページで何が起こるかわからないドキドキ感を子どもたちと共有するための 「間(ま)」が大切 です。
すぐにめくってしまわずに、 子どもたちの呼吸を感じながら、もったいぶって、期待度を高めましょう!
特に低学年の児童はリアクションが大きくて可愛らしいです。
思いがけないところで笑いが起こることもあり、毎回子どもたちの感性にハッとさせられます。
絵本の主役はあくまでも“絵”。
文は補助的な位置づけです。
せっかくの読み聞かせで、文章ばかりの絵本を選んでしまってはもったいない!
絵を見ただけでも物語の流れがわかる絵本が、良い絵本 ではないでしょうか。
ぜひ、絵からもさまざまなメッセージがある本を選んでください。
私は読み聞かせの練習をする前に、 まずは絵をじっくりと眺めます。
そして、色々見つけて、一人でニヤニヤしています。
自分ではない誰かに読んでもらう絵本は、本当に楽しいと思います。
自分で読むと、どうしても文に目がいって、あまり絵を見ていないですよね。
誰かに読んでもらっている場合、絵に集中することができます。
読み方の表現を工夫して、子どもたちにしっかりと絵本からのメッセージを届けたいです。
読み聞かせというのは、どちらか一方的な発信ではなく、受信があるから成り立ちます。
ひとつの絵本で、子どもたちと同じ時間を共有できる喜び を、私たちも毎回噛みしめています。
13年前からということは、当時読み聞かせに参加してくれた小学生はもうすっかり大人…!
覚えていてくれるのかなと、ふと考えることも。
読み聞かせのあと「声が聞きやすかった」「アナウンサーになりたい」と感想を伝えてくれる子も多く、絵本だけでなく アナウンサーという職業自体にも興味を持ってもらえる こともとても嬉しいです。
今後も読み聞かせ事業を続けていきますので、テレビやラジオ以外でのアナウンサーの活動にも、ぜひ注目していてくださいね。
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文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
HBCラジオ「清かなる朗読」(月曜あさ4時30分~)、Instagramも更新中!
編集:Sitakke編集部あい
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