2025.07.15

みがく

「芸妓って、昼間は何をしているの?」ゴールのない日々…札幌の芸妓がご紹介

一日で3つのお稽古をはしごする日も…

お稽古は、曜日によって科目が決まっています。

私の場合ですが、火曜日・水曜日・木曜日は踊りのお稽古(若柳流)、金曜日と土曜日が小唄と三味線のお稽古です。

以上が必須科目となり、これに加えてお茶のお稽古や、月に数日お笛のお稽古、東京のお師匠さんをお迎えしての踊りのお稽古(藤間流)が入ってきます。(スケジュール管理もなかなか大変です。)

忙しい日は一日に3つお稽古のはしごをしなければならない!なんて日もあるので、
そんな時はてんやわんやですね。
(科目によってお稽古場が違うのであっちこっち走り回っております。笑)

若柳流の踊りのお稽古風景。向かって左がふみ代ちゃん、右がこと代です

踊りに関しては、札幌には流派が二つあります。
普段のお座敷で踊る“小唄振り”(歌詞の短い曲)に関しては若柳流で、うちの置屋のお母さんがお師匠さんをしてくださっています。

「札幌をどり」など、大きな舞台などで披露する長唄(“段物(だんもの)”と言ったりもします)は、藤間流のお師匠さんに東京からお越しいただき、毎月数日間お稽古をつけていただいております。

昨年の札幌をどりでは長唄「雨の五郎」を踊らせていただきました。こちらは藤間流です。本番の直前はお師匠さんにびっしりお稽古をつけていただきました

“雨の五郎”とは、江戸時代に絶大な人気を誇った「曽我兄弟の仇討ち物語」から生まれた演目。荒々しく勇ましい振りが特徴の男踊りです。
和傘や手紙などの小道具を使って踊るのですが、初挑戦だったので悪戦苦闘しました。

お稽古にはゴールがありません。少しずつでも進化していけるよう、これからもお稽古を続けていきたいと思います。

さて、そんな私達のお稽古の成果をご覧いただける機会がございます!

小樽にはその昔、300人の芸者衆がいました。いまは北海道で唯一、さっぽろ名妓連が若手育成につとめ花柳界の文化を伝えています。

邸宅の大広間から教会の聖堂となった空間で、踊りとお座敷あそびをお楽しみください!浴衣でも、お洋服でも、どなたでもお気軽にご参加くださいませ。
小樽にてお待ちしております!

【小樽花街憧憬・芸者衆の踊りを観る会】

日時:2025年8月10日(日)午後3時開演
場所:旧カトリック住ノ江教会【十字路】聖堂(小樽市住ノ江2丁目2-7・JR南小樽駅徒歩 10分/駐車場有)

前売・予約:2000円
当日:2500円(浴衣または着物着用の場合、当日も2000円)
※ご予約状況により当日券のお客様は立見になる可能性がありますので、予約がおすすめです

ご予約:ウスキ呉服店の店頭か、LINE・インスタグラム(@usukimiki)・メールでお名前・人数をお申込みください。

***

連載「さっぽろ芸妓日記

文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:Sitakke編集部IKU

<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。

※掲載の内容は記事執筆時(2025年7月)の情報に基づきます

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • X
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • X