2025.07.14
暮らす有賀さんに続いてマイクを持った、北海道大学大学院の伊藤泰幹(いとう・たいき)さんは、4月と6月の出没を地域住民が予測できていたと、驚きの発表をしました。
伊藤さんは1月に、円山西町でワークショップを企画。地域住民がグループに分かれ、自分たちはどこでどんなクマ対策を求めているのか、地図を広げながら話し合いました。
まず過去の出没地点を書き込み、次に「クマの目線」から、出没の原因になるものを探します。
「クルミ」「農作物」などクマの食べものになるものがある場所、「草やぶ」などクマの通り道になる場所にシールを貼ったり、マーカーで書き込んだりしました。
4月と6月の出没場所は、この1月のワークショップで「クマが出るリスクがありそう」と話していたエリアと重なっていたのです。
川沿いや背の高い草やぶを移動するクマの習性を知っていること、そこにどこに草が生い茂っていて、どこに何の実がなっているかなど、地域住民だからこそわかる視点が加わると、対策が必要な場所は考えられるということが証明されたと言えます。
ワークショップでは、最後に「人目線」で、通学路やバス停など、クマに絶対に出てほしくない場所を話し合っていました。
「クマ目線」と「人目線」をかけ合わせることで、対策が必要な場所や、地域住民がどこでどんな対策を望んでいるのかが見えてきます。
町内会のメンバーは、このワークショップの後、クマ対策になる頑丈なごみ箱の視察に行くなど、実際に対策を考える次の一歩に進んでいます。
伊藤さんは今回の勉強会で、このワークショップの成果を振り返り、「クマ出没を『じぶんごと』にする、というのは簡単に言われますが、では『じぶんごと』にするとは何なのかを考えてみました。クマが出たらしいと漠然とした不安を抱えるのではなくて、やることや課題を具体化していくことが『じぶんごと』なのではないかと思います」と話しました。
この日、集まったのは約40人。満席の会場で、全員が真剣に有賀さんや伊藤さんの話に耳を傾けていました。その頼もしい姿は、「クマに強いまちづくり」が着実に進んでいることを物語っていました。
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