2025.07.14
暮らす札幌市では出没の後、市の担当者と、専門知識を持つNPO職員が現場を調査します。このときの調査では、クマの毛が1本と、クマが地面を掘った跡が見つかりました。
ただ痕跡はそれだけで、クマを引き寄せるような原因になっているものもなく、繰り返し来ている様子もありませんでした。
つまり、クマはこの地域に定着しているわけではなさそうだ、ということです。
この結果を住民に説明するために、有賀さんが例に出したのが、2023年6月に札幌に出没したクマです。
こちらは西区の西野市民の森に設置したカメラに映ったクマですが、その数日後に南区で相次いだ目撃情報も、現場に残されたDNAや足跡などから「同じクマ」と見られています。西区と南区の現場には15キロほどの距離がありました。
さらに、その前に小樽で見つかったクマのフンからも、同じDNAが見つかったのです。
このようにオスのクマは、ときには市町村の垣根も超えて、10キロ以上の非常に広い範囲を移動します。出没情報が多いなと思うときも、たくさんクマが増えたというより、実は1頭のクマだったということがよくあります。
地域に出たのが、そうした「通り過ぎた」クマなのか、それとも同じ場所に繰り返し来ているのか。ごみの不始末などクマが執着する原因になるものはあるか、クマが人に慣れた様子など危険な兆候はあるのか。
出没の痕跡や目撃したときの様子などを分析すると、危険度や緊急度、取るべき対策が見えてきます。
「まさか」と思っていると、出没をどうとらえていいかわからず、必要以上に怯えて暮らすことになってしまいます。正しい対処を知らず、事故にあってしまうかもしれません。
日ごろからクマについて知り、考えておくことで、いざというときも地域で声をかけあい、冷静に対処することができます。
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