2025.07.01
暮らす地球温暖化は、寒い地域ほど進行しやすい傾向があります。
その違いを生み出す**大きな要因の一つが「雪」**です。
晴れた日のスキー場で、雪の照り返しがまぶしく感じる経験をした方も多いと思います。真っ白な雪は太陽の光や熱をよく反射し、地球を冷やす働きがあります。
しかし、温暖化が進み、雪の量や期間が減ると、地面がむき出しになり、そこに太陽の熱が吸収されてしまいます。
すると気温はさらに上がりやすくなり、「温暖化→雪が減る→熱を吸収→さらに温暖化」という悪循環が起きやすくなるのです。
それは北極やシベリアなど、より寒い地域ですでにその傾向が現れていて、北極の氷にいたっては、21世紀末には夏の間、ほぼなくなってしまうと予測されています。
冬の間、北から寒気が流れ込む北海道も同様に、本州方面に比べて温暖化が進みやすいという特徴があるのです。
「追加的な温暖化対策を取らなかった場合」の気温上昇量の予測です。
北の地域ほど真っ赤で、気温の上昇率が高いのがわかります。
温暖化の影響はすでに雪の降り方にも現れ始めていて、北海道の日本海側の積雪の深さは減少傾向となっています。
雪の少ない方が「生活は楽になる」と多くの喜びの声が聞こえてきそうです。実際に記録的に雪が少なかった今年の1月は、私自身もこの時は雪かきや車の雪下ろし機会がほとんどなく、逆に一気に雪が降るのではないかと心配になるほどでした。
(その後、札幌では1/29からの一週間で68センチの雪が降り、急に積雪が増えました)
今後も温暖化が進めば沿岸部を中心に積雪は減る傾向となりますが、そんなに話は単純ではありません。
まず一つに、全体的な降雪量が減っても、一度に大量の雪が降る**「ドカ雪」のリスクが高まる**ということです。
温暖化の影響で海の水温が上がると、日本海の上空に流れ込む大陸からの冷たい空気との温度差が大きくなり、雪雲が発達しやすくなります。
さらに、気温が上がることで空気中に蓄えられる水蒸気の量が増えるため、より多くの水分を含んだ雲ができやすくなります。
これは、夏季の大雨にも同じようなことが言えます。
このように、気温や海水温が上昇することで、一度で大量の雪の降るリスクが高まるのです。
実際に、近年はこうした傾向が現れ始めています。
例えば、札幌では2022年2月5日から6日にかけて、24時間降雪量としては統計史上最大となる55センチの雪が降りました。この時は除雪作業が追いつかず、電車がほぼ丸3日ストップするなど、生活に大きな影響が出たのを覚えている方も多いのではないでしょうか?
さらに、今年2月には帯広で、わずか12時間の間に120センチと、全国でも例がないほどの記録的な大雪となりました。これは釧路沖の海水温が記録的に高かったことがひとつの要因とされています。
このように、これまでに経験したことのない極端な雪が、これから降りやすくなるかもしれません。
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