2025年2月、札幌市民ギャラリーを会場に、“在日朝鮮学生美術展”が開催されました。
全国にある朝鮮学校の子どもたちによる作品の展示会です。
絵や粘土細工など、美術の授業で作った、自慢の作品が並びます。
「これも僕が描いたやつ」
作った作品を紹介しながら、元気いっぱい会場をかけまわり、日本語で説明してくれる子どもたち。
「学校」をテーマにした絵には、子どもたちの目線でみた、学校や日々の暮らしが描かれています。
作品の中には、「食」の文化が自然と映し出されたものも。
“焼肉を食べてきたジンベイザメ”を描いたという作品も…。
子どもたちの自由なひらめきが、尊重されています。
美術を担当する朴蓮淑教諭は「次はこれ、あれと…アイデアが出てくるので、ある程度テーマを与えてあげた後は、好きなように自由に制作させてみるスタイルですね」と話します。
美術展では、子どもたちの母親「オモニ会」が体験ブースを開いていました。
保護者の1人、李慧娘さんもこの学校の卒業生であり、元教員です。
この学校では、新型コロナの感染拡大前の2019年まで、隔年で学校祭を開いていました。
「保護者手作りのキムチが人気で、開場の何時間も前から整理券を持った地域の人が、学校ぐるっと1周分くらい並んでいたりしていて…」
李さんは懐かしそうに、教室からグラウンドを見下ろしました。
李さんが子どもの頃に比べ、在日コリアンの人生の選択も多様化し、以前より朝鮮学校に通う子どもの数は減っているといいます。
その中でも、自身の子どもには「劣等感を感じず、自分が朝鮮民族であることに胸を張って生きてほしい」思いから、朝鮮学校に通わせることを選びました。
「ご近所付き合いの中では、朝鮮学校について、偏見なしに聞いてくれる人もいる。人と人が仲良くなるように、国同士の関係が良くなることを願っています」
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