2025.06.28
育む子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」、そして2児の母でもある、HBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)がご紹介します。
水色のおしゃれなバスを見つけたら、運賃不要!
まずは中に入ってみてください。
乗った瞬間、見たこともないような光景が広がります。
実はこのバス…本屋さんなのです!
登別を拠点として、バスで各地を周る移動書店『THE BOOK STAND』。
2024年4月にオープンしました。
絵本を中心に雑誌や単行本などを厳選して扱っています。
「大人にこそ絵本を読んでほしい!」という店主の想いや、今後の夢についても伺ってきましたよ。
イベントシーズンの夏場は、毎週末のように道内各地のイベントに出店中!
私が絵本バスに出会ったのは、6月に千歳市で行われた音楽フェス SORAON(ソラオン) でした。
ファミリー向けの音楽フェスということで、子どもたちも大勢いるなか、ドキドキしながらバスに入ってみると…
想像もつかなかった素敵な空間が広がっていました!
店主の加藤順也(かとう・じゅんや)さんが、使われなくなった幼稚園バスを改装したもので、全身を包むような優しい木の香りが漂っています。
バスの座席は2席残してあり、秘密基地のような憧れのお部屋になっています。
外は賑やかなのに、バスの中は時間がゆったり流れている感覚になりました。
何時間でも過ごせそう!
並んでいる絵本は160~220冊。
「大人が読んでも心に響き、繰り返し読むたびに心が潤う…そんな特別な1冊を手に取ってほしい」
加藤さんが1冊ずつ吟味し、思いを込めて選書したものを、訪れるマチやイベントにあわせて入れ替えています。
ディスプレイにもこだわりが!
1.できるだけ絵本の表紙が見えるように
2.なるべくビニールカバーをかけない
絵本は表紙が気に入って思わず手に取るお客さんがほとんど。
中身も自由に見てもらったうえで、その本の良さを知ってから購入してもらいたい というのが、加藤さんの思いです。
絵本を開いた親子からは、楽しい会話が次々と聞こえてきました。
娘よりもむしろお母さんのほうが夢中で、「素敵な絵本がありすぎてどうしよう!」「この本と出会えて良かった!」と大興奮な様子も印象的でした。
大型の書店だと、目的を持って行かないと絵本選びは途方に暮れてしまいがち。
しかし、絵本バスは店主の厳選した本だけが並べられているので、ある意味どれを取っても間違いなし!
あとは自分が気に入った絵本を選ぶだけですね。
子どもたちが喜んで絵本を読んでいってくれる姿もうれしいけれど、大人が自分のために絵本を選んでいるのを見ると「そうそう!大人にこそ読んでほしくて選んでいるのです!」と、また別のうれしさがこみあげるという加藤さん。
それは加藤さん自身が絵本からのメッセージに勇気をもらい、背中を押されてきたから。
移動書店を始める前は「やめたほうが良い」「成功しない」と心配する周りの声もあったそうです。
しかし、「伝統や一般常識、固定概念なんて、自分の意志や思い次第でいくらでも変えていける!」という思いを原動力に夢を叶えました。
これは、加藤さんがお気に入りの絵本から受け取ったメッセージです。
子どもたちが自分で読みたい絵本を棚から選んで椅子に座って読んでいる姿を見ると「絵本バスを作って良かった!」と心から思えるそうです。
「本が大好きだから、届けたい。バスが本屋さんになって自分の住んでいるところに来てくれたら、サーカスみたいでワクワクするかも!大人になったとき、その思い出が記憶の片隅に残ってくれたら大成功!」
加藤さんの想いは、絵本バスとともにたくさんの人たちに届いています。
最後に「いつか出店してみたいという場所はありますか?」と聞いてみたところ「離島!」と、即答でした。
もし本屋さんのない離島の子どもたちに『THE BOOK STAND』がやってくる日を想像したら…それだけでワクワクします!夢が叶いますように!
【取材協力】
『THE BOOK STAND』
出店スケジュールなど詳しくはInstagramで発信中
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文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
HBCラジオ「清かなる朗読」(月曜あさ4時30分~)、Instagramも更新中!
編集:Sitakke編集部あい
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