酪農業と畜産業の農家にとって、家畜の体調をどう管理するかは常に課題です。
いま、この課題の解決にITの普及が進んでいます。
連載「じぶんごとニュース」
年間約3000トンの牛乳を出荷する北海道江別市の小林牧場です。
飼育する約620頭の乳牛の体調管理に使っているのはタブレット。
小林牧場の小林紀彦社長が「体温が低くて、ちょっと食欲が落ちている感じです」と話しかけるタブレットの向こう側にいる会話の相手は、獣医です。
「次に乳房をを映してほしいです。搾乳の様子はいかがですか?」
「多少、乳量は減っています」
離れた場所にいる獣医は、映像を確認しながら生産者に牛の様子をヒアリング。
疑われる症状を導き出し、どんな薬を与えればいいかなど、農家に指示します。
牧場では2024年から、月に10回ほどこの遠隔診療サービスを使っています。
導入のハードルを低くするために、ラインのアプリの中で受付や診察予約をすることができます。
小林牧場の小林社長は「診療に対しての行動がすごく早い。これは獣医に見てもらおうか、自分でできるものなのかというのを相談しながらやれるというのが非常に良いことだと感じている」と話します。
サービスの大きな目的は、実は獣医の業務の効率化です。
家畜診療を担当する獣医は訪問がメインで、勤務時間の3割を移動にあてているといいます。
北海道農業協同組合の富永翔太獣医は「すべてが遠隔診療じゃなくても、1件でも遠隔診療があれば、一日のスケジュールが楽になる」と話していました。
獣医のなり手不足も叫ばれる中、獣医そして農家の課題解決に向けた新たな技術が北海道で広がっています。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年6月4日)の情報に基づきます。
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