2025.06.19
深める被害に遭った安達さんは、警察に相談した際、思いもよらぬ扱いを受けることになりました。
接近してきた相手の特徴などを尋ねられた際、上手く説明ができず、警察に被害の相談を取り合ってもらえなかったのです。
自分に視覚障害があることで受けた、思わぬ対応でした。
この経験が、安達さんの心に大きな違和感を抱かせ、『複合差別』という研究に向かわせるきっかけになったのです。
「最初は男性も女性も関係なく、視覚障害の方を研究の対象にしていましたが、女性の視覚障害者は、男性が経験することのない苦悩などがすごく深刻だと感じたので、『女性視覚障害者』に焦点を当て、研究を始めた」
安達さんが取り組んだ『複合差別』―。
それは障害に加え、性別や民族など、複数の差別がかけ合わさり、より複雑で深刻な差別が起きていくことを意味します。
大学院で研究を進めることになり、膨大な論文に目を通し、いくつもの文章を作成する日々が始まりました。
パソコン画面に映し出された文章や、入力した文字を読み上げる専用ソフトを使い、安達さんは、コツコツと研究の成果をまとめ、論文を仕上げていきました。
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