2025.06.13
深める札幌に、これまでになかった視点から、ある研究に取り組んだ女性がいます。
研究のテーマは『複合差別』です。
障害に加え、性別など複数の差別がかけ合わさり、より複雑で特有の差別が生じるというのが『複合差別』。
この研究に取り組んだ女性の思いを取材しました。
連載「じぶんごとニュース」
安達朗子さん(40)は、この春、札幌にある北星学園大学の大学院を修了し、社会福祉学の博士号を取得。
独自の視点から、約6年をかけて『複合差別』というテーマで、論文をまとめ上げました。
安達さんは、15歳のときに遭った交通事故が原因で視覚に障害があります。
右目は明暗が分かる程度で、左目の視力は0.01ほどです。
そんな安達さんの身に降りかかった、ある出来事が『複合差別』の研究に取り組む理由の一つとなりました。
「自宅に帰るときに一人で歩いていたら、後ろから男の人に付けられてしまった」
白杖を使い、大学から一人で帰宅する途中のことでした。
背後から近づいてきた何者かに、付きまとわれる被害に遭ったのです。
「すごく近づいて、後ろにずっといる状況で、もう鼻息が聞こえるくらいで」
どんな相手が自分の背後に張りつき、付きまとっているのか。
視覚に障害がある安達さんにはまったく状況がつかめず、強く身の危険を感じる出来事でした。
ところがです。
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