製造業や食品加工などに取り組む『B型事業所』が一般的な中、あえて『D.Factory』は、自動車整備に特化しました。
A型とB型が存在する『障害者就労支援』の事業所。
雇用契約を結ぶ『A型事業所』は、給料を受け取り、最低賃金の保証もあります。
一方、雇用契約を結ばない『B型』の場合、工賃と呼ばれる対価に最低賃金の保証がありません。
北海道内の『B型事業所』の平均工賃は、2022年度、時給換算で、わずか275円。
これに対し『D.Factory』の工賃は350円からに設定。
高い人で500円ほどにまで達し、平均の約1.8倍。
専門性が高い分野に特化した結果です。
NPO法人『ニルスの会』の小林誠理事長「親御さんが一生いるってわけでもない中で、自立するためには、ある程度の働いた対価としての見合いを出せるような事業をやりたいっていうのが思いだった」と話します。
障害者の社会的、経済的な自立に向け、企業との連携も進んでいます。
この日は、洗浄したアルミホイールの納品日です。
『D.Factory』に通う林幸志郎さんも車が大好き。
「ホイールを見れば、車種はすべてわかる」のだといいます。
洗浄したアルミホイールの納品先は、自動車のリサイクルなどを手掛ける『鈴木商会』です。
自社でも福祉に関する事業を展開していることから、『D.Factory』に作業を委託しています。
鈴木商会ELV事業部の丸山敦次長は「洗浄のクオリティ、仕事の速さが大変当社と合っている」と太鼓判を押します。
『D.Factory』の『D』は夢の“ドリーム”、出発の“デパーチャー”、運転の“ドライブ”、発見の“ディスカバリー”の意味が込められています。
「自分を見つめ直したり、ここから出発したり、自分の人生をもう一回楽しもうということで『D.Factory』のDとした」
小林誠理事長がそんな思いも明かしてくれました。
自分が“好き”と思うことを活かして、障害のある人たちが、ここから走り出せるように…。その挑戦は、一歩ずつ確かに広がっています。
『D.Factory』は、あくまでも障害者の就労支援にあたる福祉事業所という位置づけです。
つまり、ここでの経験を活かした仕事を見つけて、経済的な自立につなげてもらう「支援の場」なんです。
そして『D.Factory』では、より具体的な仕事先につなげたいと、板金や洗車といった資格も今後、取得もできるような仕組み作りも進めているとのことです。
このような支援の取り組みがある中で、その自立に向けた一歩を社会がどう受け取っていくかが、とても大事になるかと思います。
整備士の不足も全国的に深刻化しているので、当事者の“好き”を活かした障害者の自立支援が、いい形で結びついてほしい。
そして、障害のある人たちが、経済的に自立して心穏やかに暮らせるように、社会全体で向き合っていく必要があると感じました。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年5月9日)の情報に基づきます。
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