さらにこの春、川崎さんのもう一つの挑戦が始まる。それが実店舗の開業だ。
現在、市内北浜町に構える焙煎所の一部をリノベーションし、『珈琲文庫』の豆の店頭販売を開始する。「お金がないので最初は敷地にプレハブ小屋を建てて50万円くらいで始めようと思ったんですが、気づけばこんな形にまでなりました(笑)」設計と一部造作を手がけたのは、函館で数々の造形デザインを手がけてきた著名なデザイナー・渡辺譲治さん。小さな店舗でありながら、細かな細工と工夫が施された見所の多い店舗に仕上がった。
10年越しに完成した焙煎機と、待望の実店舗と。川崎さんと『珈琲文庫』の挑戦は、きっとこれからも続いていく。

今春オープンする『珈琲文庫』の実店舗。細部に渡り、設計・デザインを手がけた渡辺譲治さんと同店スタッフが手作業で作り上げた。自分たちの手でマット仕上げにしたクールなカウンター天板のステンレスにも注目。



実店舗の目印はこの小さな看板。「読みたい本を選ぶように、気分に合わせてコーヒー豆を選んでもらう」という『珈琲文庫』立ち上げから一貫したコンセプトを立体化した。
【珈琲文庫】
函館市北浜町7-17
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Peeps hakodate vol,136 「特集 挑む人たち。」より
こうして自分たちの「好き」と「挑戦」のために、時間と体力を惜しみなく注いで昨年ついに栽培を開始。初夏に行われた植樹祭には多くの友人、知人、美容室の客が集まり、全員で記念すべき最初の苗を植えた。

鶴見さん一家と、函館市街地と海を見渡す桔梗町のワイン畑。日々の畑作業では小学校に通う3人の子どもたちも大きな戦力になっている。「最初は畑に連れて行くと喜んでたんですが、最近はもう飽きたのかあまり行きたがらないですね(笑)」(ゆかりさん)
peeps hakodate
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いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。
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