2025.05.14
深める浦河での対話という取り組みをヒントに、月形刑務所では、拘禁刑導入に向けた実践が進められています。
「本当の反省っていうのは、みなさんにとってどうですか?」
刑務官に聞かれた受刑者が答えます。
「もう絶対刑務所には戻ってこないと。一生懸命働いて、社会に還元するということが、今の自分にやるべき使命なんですよね」
「今まで失敗しちゃったけど、社会でしっかり生活できるようにしたい…、それが自分なりの本当の反省じゃないかということだよね」
月形刑務所が“当事者研究”の手法を取り入れてから、1年あまり。
受刑者の考え方にも変化が見え始めています。
「お互いの信頼関係みたいなものが、多少できていると自分は思っているので、その信頼関係を壊さないためにも、2度と再犯はしないと、心に誓っていこうと思うようになりました」
そんな様子を間近で見ながら刑務官の試行錯誤はこれからも続きます。
「ずっと試行錯誤しながら、決して甘やかすことなく、しかし、ただ厳しくするわけでもなく。本人にとって一番何が最適かを常に考えて、実践していくのかなと思ってます」
まだ、誰も答えを知らない、立ち直りのための新しい刑務所の在り方。
北海道で育まれた対話の手法が、その処方箋となるかもしれません。
“当事者研究”は、月形刑務所だけでなく、札幌刑務所や北海道外の刑務所でも、取り入れられています。
『浦河べてるの家』の向谷地理事長は、実際に刑務所に足を運んで、受刑者との対話に取り組んでいます。
「甘やかしているのではないか」という刑務官の葛藤もありましたが、受刑者がしっかりと罪と向き合い、更生することは、社会で暮す私たちにとっても大切なことだと思います。
“拘禁刑”の導入までもう少し。
今後も塀の中で起きる変化、変わりゆく刑務所のいまを継続的に取材して、お伝えてしていきます。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年4月23日)の情報に基づきます。
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