2025.05.15

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「堕ろすくらいなら一緒に死のうと…」18歳のSOS 行き場ない妊婦の相談3000件の現実

かえでさんに見えた「道」

北海道当別町で、坂本さんのもとで、3日間を過ごしたかえでさん18歳。
実家に戻る日、不安な表情がまだ消えないかえでさんに、坂本さんは励ますように言葉をかけていました。

「大変そうに見えた?子どもと過ごすの」

「この人数だと大変そうに見えた」

独りで妊娠の悩みを抱え、たどり着いた北海道。
かえでさんの心境に変化がありました。

「自分の中でなかった選択肢を出してくれて、今後、母と改めて話すときに新しい選択肢ができたことによって、子どもと一緒に暮らす道が見えました」

彼女のバッグに結ばれた、安産祈願のお守り―。
小さな命を守ろうという決意の現れです。

坂本さんが立ち上げた民間団体が3年前に設置した『赤ちゃんポスト』については、今も医療機関と連携していない点などから、行政側は、運用の中止を強く求めています。

ただ、取材した18歳の女性のケースのように、思いがけない妊娠で孤立する女性にとっての“拠り所”になっている実態もあります。

坂本さんは「困ったときは匿名や非通知でもいいので、支援する病院や団体に連絡してほしい」と呼びかけています。

新生児の遺棄事件がなくならない現状のなか、坂本さんが代表を務める団体には、この3年間で全国から3,000件を超える相談が寄せられているとのことです。

妊娠をきっかけに孤立する女性たちを、単に「個人の問題」と片付けるのではなく、小さな命を守るために何ができるのか?
社会全体で目を向けるべき課題ではないでしょうか。

連載「じぶんごとニュース

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年4月21日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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