2025.05.23
ゆるむ――初対面のお互いの印象はいかがでしたか?
皇希さん
柾木さんと最初に待機場所で会った時、目も合わせてくれないし、ずっと下を向いて携帯をいじっているような方でした。正直、気難しい方なのかなと思いました。僕自身もフランクに「イェーイ」みたいなタイプではないので、あまり深く関わらないでおこうと思っていたんです。でも、時間が経てば経つほど、この人はこんなにふざけた人なんだというくらい、よく話すようになりました。
今ではこの距離感で話せて、仲良くシーンも撮れていますが、最初から距離が近かったら、あのシーンの撮影はどうなっていたんだろうと考えることもありますね。一緒にいる時間が長ければ長いほど、面白い人だと感じました。
柾木玲弥さん
皇希くんが言ったように、最初は現場の空気がどんな感じなのかを探っていました。でも、明るい方が多くて和気あいあいとした現場だったので、僕も楽しくなってきちゃった。皇希くん、面白すぎ!
――スタッフからも「柾木玲弥くんは一言も話さない」という声があったそうですが(笑)
柾木玲弥さん
そりゃ、話すことがなければ話せないですから(笑)。
やはり皆さんのおかげです。この現場の空気のおかげかもしれません。
皇希さん
今となっては「だる絡み」が酷いのに、初日のあの日を思い出すと、もう全然違う人やん!(笑)
――今回のドラマは、若者がもがきながら自分の人生に向き合っていく物語です。お二人は、挫けそうになった時に自分ならこうしてきたという経験はありますか?
柾木玲弥さん
僕は多分何もいいことは言えないんですけど、僕のポリシーというかモットーとして、自分がどう思っていようと時間は進むから、周りは進んでいくから、あまり深く考えてこなかったタイプかもしれません。
挫けそうになっても挫折しそうになっても、自分がそう思っていても、周りが進んでいくんだから、そんなことを考えても無駄だなと思ってきました。くよくよする時間が面倒だというか…だったら他を頑張ろうみたいなタイプですね。
皇希さん
僕の場合はですね…あ!僕が話し始めたら、急にポッキーを食べ始めた! 他人の話に興味を持てって! もう少し!(笑)
(※皇希さんが話し始めた途端、突然ポッキーを食べ始める柾木さん。それに 気づいた皇希さんはツッコミを入れ、周囲の笑いを誘っていた)
柾木くんと違って、気にしないというよりは気にしちゃうタイプです。結構考えて、気持ちが落ち過ぎてしまうことはないけど、ネガティブな考え方をちゃんとするタイプです。僕はすごく周りに支えられていて、一緒に仕事をする仲間、近くにいる友達、もちろん家族もそうですし、応援してくれる人たちが、僕のことを肯定する発言をしてくれたり、SNSで何か書いてくれたりすると、自分が復活していくんです。
そういった人との繋がりや、ちょっとした支えで自分が復活していくので、周りの人たちをすごく大事にするように意識しています。
自分がちゃんとした行動をとっていれば、そういう環境ができてくるだろうし、自分が悪いことをしてれば、そういう人が集まってきちゃうだろうし。いい意味で周りを頼ってみるということも大事かなと思ってます。
――最後に見どころを教えてください。
柾木玲弥さん
僕は北海道出身で、北海道の良さをよく知っています。今回の舞台である三笠市は、これまであまり訪れたことがありませんでしたが、自然豊かで人々も温かく、すごくいい町だなって感じました。そんな三笠市の魅力が、作品にもたくさん詰まっていると思います。
キャストの皆さんも、スタッフの方々も本当にプロフェッショナルだし、この三笠市という場所で作り上げた作品は、きっと本当にいいものになるんじゃないかな、って思っています。
皇希さん
キャスト陣の話をすると、僕もテレビで見ていた方々と一緒にお芝居するという不思議な感覚でした。
見どころで言うと、こういった地方の小さな町に生きる若者だからこその葛藤に注目してほしいですね。
健太(演:高杉真宙)は東京に行く選択をして、それを茶化していた僕たちみたいな存在がいて。でも、実は劣等感も感じている。
今回は三笠市という題材ですが、そういった小さな町で育ってきたからこその思考や行動、言動だと思います。僕も元々田舎出身なので、自分とリンクする部分がありました。
同じような境遇の方々に、このドラマを見て、登場人物たちと同じことをしてほしいとか、何か影響を受けてほしいというわけではありません。ただ、そういう方々が見た時に、より一層感情移入できる、そういう気持ちになれる作品だと思います。かといって、そうでない方は見なくていいというわけでもありません。でも、何かそういう面白さだと思うんですよ。
見どころとしては、地方の小さな町で育ってきた若者たちの物語として、さまざまな出来事や心情の変化を楽しんでいただけたらと思います。そしてシンプルに脚本自体が面白いので、全6話を通して楽しんでもらえたらって思います。
柾木玲弥さん
…皇希くん、いいこと言うなぁ。じゃあ僕も見どころをもう一度話させてください(笑)
皇希くんの話を聞いて思ったのですが、こういう「ミカキン」のような話はどこにでもあると思うんです。いろんな町で夢を持っている人もいれば、それを妬んでいる人もいたりすると思うんです。今回は三笠市が舞台ですが、皆さんがリンクできる話なんじゃないかと思っています。
ライブシーンの時に、先輩と健太の喧嘩のシーンをずっと見ていたんですが、自分に劣等感を感じている先輩に、健太が「あんたはあんたでいいじゃないか」というような喧嘩のシーンで、すごく心が震えました。
役としても感動しているシーンですけど、本当に何かが伝わってきて。
そういう彼らの喧嘩のシーンで言ってることが皆さんにも伝わったらいいなって思いました。モニターで見てもすごく伝わってきたものが、編集されて、本編になった時にも見てる方々に伝わったらいいなって思いました。
柾木玲弥:PROFILE
1995年3月24日生まれ 北海道出身。2009年に「第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で審査員特別賞を受賞し、芸能界入り。2010年の映画『冷たい部屋』で俳優デビューを果たし、その後、テレビドラマや映画、舞台など多岐にわたる作品に出演。
皇希:PROFILE
1997年4月29日生まれ 愛知県出身。俳優・ダンサー・振付師・演出家などとして活動。幼い頃からダンスを始め、19歳の時には世界大会「WorldofDance」で優勝。その後、俳優として活動を始める。振付師としては、乃木坂46、AKB48、7ORDER、らアイドルやアーティストの振り付けや、ミュージカル「刀剣乱舞」にっかり青江 単騎出陣、などの振り付けも手掛ける。
【放送概要】
■番組名:Nisshoドラマスペシャル『三笠のキングと、あと数人』
■放送局 : 北海道放送株式会社(地上波北海道ローカル)
■放送日時: 2025年4月25日(金)午後6:30スタート 毎週(金)全6話
■再放送日時:2025年4月29日(火)午後11:59スタート 毎週(火)全6話
■主 題 歌 : GLAY/「Beautiful like you」
■番 組 HP : https://www.hbc.co.jp/tv/mikakin/
【STORY】
アイドルを夢見て上京した青年・健太と、地元で何者かになろうとあがき続ける先輩。心にぽっかり空いた穴を埋められずにいる二人が再会し、町の未来を変えようと動き出す。
現代社会での生きづらさを抱えた若者たちが巻き起こす騒動と、波乱に満ちたひと夏の日々をコメディタッチで描いた、魂をゆさぶる青春群像劇。
夢を追って転んでも、笑ってまた立ち上がればいい!小さな町で全力疾走する若者たちの魂の物語が、今ここから始まる ── 。
監督:榊原有佑、門馬直人、針生悠伺
脚本:我人祥太、林青維 原案:田邊馨
出演:高杉真宙、柄本時生 / 森田想、奥野瑛太、黒田大輔、阿部進之介、久保田磨希、柾木玲弥、皇希、しゅはまはるみ、東てる美 / 竹中直人、西岡德馬
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取材: 山田文裕
文・編集:Sitakke編集部 ナベ子
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