2025.05.16

ゆるむ

俳優・黒田大輔が語る!北海道放送制作ドラマ『三笠のキングと、あと数人』への思い「小さく、小さく、丁寧に」【#ミカキン 連載vol.8】

北海道の小さな町の、幻みたいなひと夏の話——。

かつて炭鉱で栄えた北海道・三笠市。
その豊かな自然と静かな街並みを舞台に、少し不思議な「ひと夏の物語」が紡がれます。

4月25日の午後6時半から、全6回にわたって放送中の連続ドラマ『三笠のキングと、あと数人』(通称・ミカキン)。

13年ぶりに北海道放送(株)が制作した本作は、アイドルを夢見て上京した青年・健太(演:高杉真宙)と、地元で何者かになろうとあがき続ける先輩(演:柄本時生)が、心にぽっかり空いた穴を抱えて再会し、小さな町で全力疾走する姿を描いています。

この記事では、出演者の黒田大輔(くろだ・だいすけ)さんにインタビュー。役柄や作品に込めた思いについてお話を伺います。

黒田大輔さんにインタビュー!

幽霊・森広紀役を演じた感想について

黒田大介さん演じる幽霊「森 広紀」

今回の役どころ
●森 広紀(演:黒田大輔)
新聞記事に「死亡」と記載されている人物。三笠市に関わっていた重要人物の可能性があり、今後の展開に大きく影響しそうな存在。

――幽霊役の「森広紀」を演じてみていかがでしたか?

W主演を務めた真宙くんと時生くんが、とても頑張っていたのが印象的ですね。すごく面白い現場でした。
僕は幽霊役として、「何もしない、ただいるだけ」っていうことも面白いだろうし、能動的に、真宙くんと時生くんが演じる役に絡んでいくことも面白いだろうし…自由度高めの役でしたね。

やっぱり、主演二人の役柄は、台本に描かれていることが多くて、やんなきゃいけないことが多いですから。そこで一番自由に演じられる役を担当したのは、僕なので。

だから現場の雰囲気で、「何となくこっちの方がいいかな。真宙くん、時生くんにちょっかい出してみようかな」と(笑)。

真宙くんと時生くんが素敵な人柄でよかったです。今回の役柄は、幽霊として、二人と遊んでるみたいなところもあったと思うので。一緒に遊べて良かった。

――台本を初めて読んだ時の感想は?

ドラマ内のワンシーン

自分の役に対してというより、「この物語は何を伝えたいたいんだろう?」ということをまず考えました。

台本には、北海道の三笠市という小さい町のお話だと書いてあるけれど、世の中を考えてみると、全国に同じような状況の町がたくさんあるわけで。

物語としてシリアスに描こうとしたら、シリアスにもなるけれど、コメディだったり、エンターテイメントとして描く作品があってもいいんじゃないかと思ったんです。

そう考えた時に、この物語は、エンターテイメントっぽく描きたいのかなと思いました。その中に幽霊が出てくるんですから。「いいな」と思いました。
だから、幽霊役を演じるにあたって、現場でも楽しくできることがあるんだったら、楽しくやってみようと思ったんですよ。

ドラマ内のワンシーン

ロケ地・北海道三笠市の印象について

ドラマ内のワンシーン

――ロケ地である三笠市のまちの印象や、人の印象はいかがでしたか?

ロケの合間にした散歩が、すごく気持ちよくて印象に残ってます。ホテルから山の方へ行く散歩道があって、随分歩いたんですけど、気持ち良かったなあ。

あと、熊がすごく怖かったです(笑)。散歩を始めた途端に、”クマ注意”という看板があって、「嘘だろう!?」と。それからは、もうラジオだったり、スマホで人の声を流しながら歩いてました。僕はもともと、そんなにアクティブに新しいところへ行くっていうタイプじゃないんですが、散歩は好きなんです。三笠での散歩、すごく印象に残ってますね。

――撮影で特に印象に残ったシーンは?

印象に残ってるシーンは、ズバリ、僕が「死ぬところ」ですね。地面を這いつくばってバタッて死ぬところで、予想以上に下の土がザラザラしていて…。撮影終わって、温泉に入ったら、いたるところがヒリヒリしました。あれは痛かったな~…。

視聴者へのメッセージ①うまくいかない時の対処法は?

ドラマ内のワンシーン

――今回のドラマは、若者がもがきながら自分の人生に向き合っていく物語です。黒田さんご自身は、うまくいかない時や何か壁にぶつかった時にどうしていますか?

諦める。

――即答ですか!(笑)

即答ですよ。「諦める」ってネガティブなイメージがあるじゃないですか。でも、実はすごくポジティブな言葉なんですよ。理屈っぽい話になりますけど、「諦める」というのは、「明らかにする」という意味から来ているらしいです。

つまり、モヤモヤしていることをはっきりさせること。やれること、やれないことを明確にしていくことが「諦める」ということなんです。だから、ダメな時は本当に諦めるのも大事。

僕も、うまくいかないとつい押して押して…ってなりがちなんです。でも、押してもダメなら引く。その「引く」というのが、「諦める」という言葉に近いのかなって。

――つまり、「諦める」とは「ただ投げ出す」のではなく、一つの選択ということですね?

そうですね。ここでいう”押す”ことって、戦うことだけじゃなくて、逃げることも含めて能動的に行動すること。でも、戦っても逃げてもどうにもならない時は、もう、諦めるのも一つの手。若い人は特に必死になりがちだけど、時には引くことも大切だと思います。ちょうど、ドラマ撮影の合間に、出演者の奥野瑛太くんともそんな話をしていたんですよ。

視聴者へのメッセージ②ドラマの見どころは?

ドラマ内のワンシーン

――本作の魅力はどんなところにあると思いますか?

まず、この物語が面白いですよね。小さなコミュニティを描くことで、実はとても大きな、普遍的なテーマを表現している。そういう物語が僕は好きですね。

大きなテーマを大きなスケールで描くのは、ハリウッド映画にやってもらえばいい。それこそ、何億円も使って。

でも、こういう作品は「小さく、小さく、丁寧に」作るからこそ、より多くの人に普遍的に、共感されるものになると思います。もっとこういう企画が増えたらいいなと思いますね。

良い作品が評価されて続編につながることもありますし。「負けねぞ~!」って、他の地方局も刺激を受けて、さらに面白い作品を作る流れが生まれたら楽しいと思います。

クランクアップ時のようす(三笠市職員の2人と)

――あらためて、ドラマの魅力をアピールお願いします!

うーん…時間に余裕があったら、ぜひ見てください(笑)。

――弱めですね(笑)

でもね、それこそ「押してダメなら引いてみろ」ですよ。みんな(他の出演者が)熱く「見てください!」って言ってるから、僕はあえて「時間があったら」って言っておきます(笑)

でも、きっと面白い作品になっていると思いますよ。現場の雰囲気がすごく良くて、俳優さんたちも楽しみながら演じていましたから。きっと作品も楽しく仕上がっていると思います!お時間がある時に見ていただけたら、僕も嬉しいです。

オフショット

【黒田大輔】

千葉県出身。2003 年より舞台を中心に活動を始め、映画、ドラマ、CM など多くの作品に出演。
リアリティのある演技が魅力で、個性的な脇役から重要なサブキャラクターまで幅広く演じている。
2015 年公開の映画「恋人たち」(監督:橋口亮輔)では、その演技が高く評価され、「第 30 回高崎映画祭優秀助演男優賞」を受賞

HBC制作 Nisshoドラマスペシャル『三笠のキングと、あと数人』(全6話)

放送概要
■番組名:Nisshoドラマスペシャル『三笠のキングと、あと数人』
■放送局 : 北海道放送株式会社(地上波北海道ローカル)
■放送日時: 2025年4月25日(金)午後6:30スタート 毎週(金)全6話
■再放送日時:2025年4月29日(火)午後11:59スタート 毎週(火)全6話
■主 題 歌 : GLAY/「Beautiful like you」
■番 組 HP : https://www.hbc.co.jp/tv/mikakin/

STORY
アイドルを夢見て上京した青年・健太と、地元で何者かになろうとあがき続ける先輩。心にぽっかり空いた穴を埋められずにいる二人が再会し、町の未来を変えようと動き出す。

現代社会での生きづらさを抱えた若者たちが巻き起こす騒動と、波乱に満ちたひと夏の日々をコメディタッチで描いた、魂をゆさぶる青春群像劇。

夢を追って転んでも、笑ってまた立ち上がればいい!小さな町で全力疾走する若者たちの魂の物語が、今ここから始まる ── 。

監督:榊原有佑、門馬直人、針生悠伺
脚本:我人祥太、林青維 原案:田邊馨
出演:高杉真宙、柄本時生 / 森田想、奥野瑛太、黒田大輔、阿部進之介、久保田磨希、柾木玲弥、皇希、しゅはまはるみ、東てる美 / 竹中直人、西岡德馬

***
取材: 山田文裕
文・編集:Sitakke編集部 ナベ子

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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